2008年7月26日土曜日

7月24日 キベラツアー Vol.2

 今日も前日に行った、キベラツアーについて話す。一行はいよいよ今回のメインの場所、マゴソスクール(マゴソ幼稚園・小学校)に行った。キベラ地区の中にどんどん入っていき、細く雨で地面が泥状になった路地裏を抜けると、そこに学校があった。2階建ての校舎と向かいにある1階建ての校舎、電気がないので暗いままの教室。約5この小さな教室に200人以上の子どもたちが通ってくる。

 さてまず訪れたのは、幼稚園児が通う教室。小さな教室に50ほどの園児が教室を埋めつくしていた。先生は2人。しかしその教室は勉強できるという熱気でいっぱいだった。私たちが教室に入ると、園児たちは習ったばかりの英語のアルファベットと数字を発表してくれた。大きな声で楽しそうに発表する子どもたちの姿に、心の底からうれしくなった。

 次に訪れたのは小学校4年生のクラス。そこで開いていたのは、英語の教科書だった。暗い教室だったが、それでも学校に来れる幸せを感じているのだろう。すごく素直で真剣なまなざしを感じた。その奥にあるのが、8年生(日本でいう中学2年生)のクラス。8年生のクラスは中学校に行くためのテストがあるので、それの準備テストとなるプレテストを受けていた。まあ、いわゆる日本でいう高校受験のための実力テストみたいなものだ。ここケニアでも自分の将来のため、必死にがんばるケニアの子どもたちの姿があった。

 その後、その学校の副業となる服飾関係の仕事場(校舎2階)を見学した。そこでは、学校の制服を作っているのはもちろん、なんと依頼された服を作って副業としていた。またたくさんの種類のボタンを置いていて、そのボタン売りも副業としていた。ただ仕事をしてお金を稼ぐのでなく、そのお金が学校運営につながっているということが、働いている人たちの誇りにもなるそうだ。制服は300シルするのだが、スラム地区ということで親がいるところは半額の150シル、そして親のいない子に関しては無料で渡すらしい。

 その部屋を出ると、下には全校生徒がぎゅうぎゅうに並んでいた。そして私たちが来ると、そこで歓迎会がはじまった。まず全校生徒による合唱があった。園児も小学生も本当に大きな声で楽しそうに歌っていた。こちらがうれしくて自然と笑顔がこぼれてくるようなそんな歌声だった。次に大人の歌グループ5人での発表。はじめはスワヒリ語の曲、そして2番目がルオ語の曲を歌ってくれた。女性のきれいで透き通るような声と男性の低く、そっと包み込むような声が非常に心地よく、すごく感動した。そして次に小学校高学年による歌と踊りの発表があった。民族衣装を着た子たちは自信を持って、自分たちの歌を歌っていた。日本の子どもたちにも聞かせてやりたいなあ。盛りだくさんの内容で、本当に充実した時間だった。 

次に私たちの発表である。私たちは「大きな栗の木の下で」の日本語とスワヒリ語バージョンを歌った。もちろん振り付けつきで。

 “Tupo chini ya mti mkubwa. Wewe na Mimi. Tucheza Pamoja.
Tupo chini ya mti mkubwa.”

一緒に振付をしてくれる子どももたくさんいて、すごくうれしかった。もう少し時間があったら、上手にできたなあと思うが十分満足だった。

 その後私たちは昼食を食べた。たくさんの種類のおかずが長机に置かれてバイキング形式のごはんだった。サマキ(魚)ニャマ(肉)ミボガ(野菜)など合計で10種類ほどのおかずがあった。主食もワリ(ごはん)チャパティ、そしてウガリなどごちそうだった。おそらくキベラの人たちはこんなごちそうをなかなか食べられないんだろうと思った。お客さんが来ると、そうやってもてなすケニアの文化がここキベラ地区でもあるんだなあと感心した。

 その後私たちは昼休みになった。子どもたちは待ちに待った給食の時間である。日本でも同じであるが、給食時間はみんなすごく楽しみである。今日の給食はギゼリ(豆とトウモロコシの煮たもの)である。最近は、食料の価格高騰でなかなかお米が買えないらしい。限られた予算で運営していくこの学校では、食料の価格高騰は大変大きな問題である。しかしその中でも月曜日から土曜日までの給食200人分以上を用意している。頭が下がる。それでもおいしそうにギゼリを食べる子どもの姿を見ると本当に幸せな気持ちになってくる。そして昼休みが終わり、午後の活動・先生方とのディスカッションの用意が始まった。このディスカッションについては、また明日話すことにしよう。

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