今日は任地訪問・ホームステイの日である。朝ごはんを食べて、すこし片づけをして出発した。シンヤ(向かいのカベテ更生院赴任)と二人でタクシーに乗りダウンタウンのマタツ(乗り合いバス)ステージへ行った。そこからカベテ行きのマタツに乗り、40分ほどで任地に着いた。初めて来る町に、嬉しさと不安があったが、都会ではなく、一面畑や野原が広がる静かな場所だった。
さて着いてからまずホームステイ先であるMuteiさんの家に電話をかけた。スワヒリ語で今いる場所を伝え、12:00頃に迎えに来てくれると言ってくれた。少し反応が悪かったが、まあ大丈夫だろうと思い、ゲタスル更生院へそこから歩いて向かった。
ゲタスル更生院の敷地には広大な畑があり、スタッフの住んでいる家が何軒かあった。またしばらくすると水色の建物が見えてきた。きっとこれが更生院なんだろうと思い、ドキドキしながら向かった。牛小屋を過ぎ、生徒が仕事をしていた。そこで
“Manager yuko wapi?” 「マネージャーはどこですか。」
と聞くと、優しく教えてくれた。奥に行き、いよいよオフィスに着いた。そこではマネージャー(代表者)と先輩隊員である根本さんが待っていた。すごく歓迎してくれて、マネージャーもすごくうれしそうだった。そこで20分ほど説明を受けた。どのような子どもたちが来るか、どのようなスタッフや先生、そしてどんな担当のセクションがあるか、また子どもたちが毎日入所してくること、3ヶ月後子どもたちは他の更生院に行くことなど、たくさん教えてもらった。
次に学校を案内してもらった。食堂、キッチン、子どもたちの受け入れ教室、職員室、ボランティアルーム、教室、寮などを見学して、そのつど多くのスタッフと会話をした。しかしあまりのスワヒリ語の早さに大変驚いた。全くと言っていいほどわからない。自分の言語の未熟さに大変頭を打った。しかし多くのスタッフの人が温かく歓迎してくれた。
と突然電話がかかってきた。Muteiさんからだ。
「今どこにいるの?」
「ゲタスル更生院だよ。」
「えっ!?」
「だからゲタスル更生院だよ。」
それを何回か繰り返した。おかしな会話だなあと思った。電話を切って5分後、JICA調整員のの人から電話がかかってきた。
「すいません、黒明さん。Muteiさんはマチャコス(ちがう町)に住んでいました。すいませんがホームステイ出来ないので、今日はドミトリーに帰ってください。」
「・・・。」
なんということだ。荷物を多くしてやってきたのに、またナイロビに帰って泊まるなんて。ホームステイ楽しみにしてたのに・・・。かなりショックだった。あまりにショックすぎて、しばらくボーっとしてしまった。
気を取り直して昼ごはん。子どもたちは本当にうれしそうにごはんを食べる。それを見ているだけですごく幸せになる。そして先生のごはんは子どもと少しちがうごはんである。それを生徒が作ってくれる。それも自分で自立するための訓練であるようだ。本日の昼食はwali(ごはん)と野菜炒めと豆炒めだった。これがけっこうおいしい。絶妙な塩加減ですごくごはんに合っていて、どんどん食べてしまった。
次に午後からは「パレード」と呼ばれる集会があり、生徒のまちがいをみんなで話し合い、そして生徒に考えさせる時間があった。スワヒリ語であまり分からなかったが、このような時間も大切だなあと感じた。次に大きな木のまわりに長椅子をサークル上に並べて、そこに座って先生たちがアイスブレーキングを始めた。根本さんも得意のたて笛で、3曲ほど演奏していた。子どもたちがうれしそうに聞いていて、すごいと感じた。そのあと、エイズ対策のNGOが来て、子どもたちにエイズについて授業をしていた。しかしケニアの子どもたちはエイズに対して、まちがいなく日本の生徒よりも知識がある。10歳ぐら
いの子どもがエイズ感染の経路をしっかり話をしていて大変驚いた。すごく参考になった。(あまりスワヒリ語はわからないが・・・)
さてそろそろ帰ろうかとする16:00頃、ボランティアティーチャーの一人エドワードが、
「今日は俺のところに泊りなよ。」
と言ってくれた。帰りも遅くなると感じた私は、お言葉に甘え泊らせてもらうことにした。そしてその後時間を気にせず、子どもと一緒に遊び続けた。運動場にはサッカーコートとバレーボールコートがあって、この日はバレーボールをした。しかし、ケニア人はみんな負けず嫌いである。一緒に入った先生も本気で大人げなく プレイする。生徒は自分のミスを認めようとせず、ミスがあるたび、人のせいにする。またよく他人を責める。日本とは大違いである。このバレーボール一つにしても、文化がよく出てる。まあそれだけ一生懸命っていうことを日本の選手にも伝えたい。
その後生徒は夕食を食べる。その時先生にはチャイ(ミルクティ)がでる。このチャイがまたまたうまい。砂糖たっぷりで甘いが、疲れた体にはかなりいい。そしてまた生徒が先生の夕食を作る。今晩の食事はウガリとスクマウィキである。これもおいしく、ほんとにケニア料理は私の口に合うなあと思う。そして9時ごろ、エドワードの家に行った。そこでまたケニア人のカリブ精神が出る。エドワードはいつも自分が寝ている大きいベッドに私を寝かせ、そして自分は小さなベッドに寝ようとした。お客さんを大事にするケニア人らしいやり方である。それにも感動した。
というわけでかなり長くなったが、本日はこれで終了。はあ、長い一日だった。
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