2009年3月12日木曜日

3月8日 鉾立小学校からの贈り物


 またまたやってきました。日本の小学校からの贈り物が。今回は玉野市立鉾立小学校6年生のみなさんからの贈り物である。一人ひとりが丁寧に書いてくれた絵である。日本の四季をはじめ、正月などの日本の文化、また日本の食事や自分たちの学んでいる教室の絵までさまざまだった。それを2つある教室の一つ、日本文化紹介教室に貼った。


 そのみんなの作品の上に、【Present from HOKOTATE Primary School】と書いた紙を貼り、より一層更生院の子どもたちの興味をひかせた。そこには鉾立小学校のみんなの集合写真もあり、更生院の子どもたちは興味しんしんで見つめていた。

 もちろん日本語のわからないケニアの子どもたちである。ましてや英語さえもわからない。一枚一枚英語に直してはいるが、なかなか理解できない。そのため、横にいて常に子どもたちにスワヒリ語で説明した。すると子どもたちも初めて知る日本のことに大変うれしそうにしていた。
 
 “ Tutaandika barua kwa watoto wajapani tena.”
「また日本の子どもたちに手紙書こうな」
 “Eh-!!” 「うん!」


 そう言うと、子どもたちは笑顔で応えた。作品交流はすごくおもしろい。ケニアの子どもも日本のことを知ろうとするだけでなく、次の段階である手紙を書くために英語を必死に頑張ろうとする。スタンダード1,2の子が自分の名前を書くために一生懸命に練習したり、他の子どももすすんで英語の本を読んだり。また日ごろ適当で、象形文字のようにちゃら書きする生徒が、丁寧に英語を書いたり。

 日本との交流を通して思わぬ効果が得られている。英語学習へのモチベーションが上がってきているということだ。お金じゃなく、まごころの込もったプレゼントがケニアの子どもの心を動かしている。日本の生徒のために始めた交流が実はケニアの子どものためになっているのだ。そんな交流を残り1年間、なるべく多くしていきたいと心に誓った。

2009年3月11日水曜日

3月6日 ダンボールいっぱいの家族の愛情②



 笑いがとまらなかった。その日ずっと笑っていた。自分の家族は最高だなあと思った。そんな出来事だった。

 家族から第2弾のダンボール箱が届いた。妻とおふくろの愛情だけでお腹いっぱいなのに、今回は叔母のゆうちゃんの愛情も加わって。日用品なんて一つもない。なんと手紙も一枚もない。普通、手紙の一枚ぐらい入れて、「健康に気をつけて」なんて書くけど・・・。

 今回入っていたのはすべて食品。他のものは何一つありません。大好きなふんわり名人きなこ餅をはじめ、節分用の豆と鬼の面、少し遅れてきたバレンタインチョコレート、そして・・・。小さいころから大好きだったナタデココヨーグルトゼリーが入ってました。いやあ、さすがわかってる。それも叔母のゆうちゃんからくれたものには、すべて付せんが貼ってあって「しばた より」って書いてありました・・・。 いやあうちの黒明家そして叔母の柴田家の愛情はすごいわ。てか最高だわ、うちの家族。そう思えて一人笑顔が絶えない一日でした。

2009年3月10日火曜日

3月5日 一本のボールペン


 肌身離さず、毎日どんなときでも握りしめている一本のボールペン。

 先日大阪大学グローバルコラボレーションセンター(GLOCOL)の皆さんとその研修で来ていたアフリカ諸国の研修員の皆さんが子どもたちに渡してくれたボールペンである。

 昨年まで物の寄附には抵抗があった。モノやお金でなく技術や人づくりの協力、それが青年海外協力隊の協力であり、お金や物のは必要ないって考えていた。しかし昨年から交流している小学校のみんなが鉛筆や消しゴムを送ってくれた。それを更生院の子どもたちに渡したところ、すごく大事そうにその鉛筆や消しゴムを握りしめ、ひたむきに勉強している姿を見てきた。そこから少しずつ、物の寄付に対する意識が変わった。

 もちろん今回も大阪大学GLOCOLの方に物の寄付をしてもいいかと質問をされた。私は即答で「お願いします」と言った。そのたった一本のボールペンが何か子どもたちを変えるのではないかと考えたからだ。

 研修員のみなさんやスタッフの人から一本一本子どもたちに渡されたボールペン。俺らにとったらたかがボールペン1本だろうが、ここ更生院の子どもたちにとったら大事な宝物になる。勉強するきっかけになる。勉強道具なんて買うことのできなかった子も多い。ましてや新しいボールペンなんて。だからこのボールペンは子どもたちにとっては特別なものだったにちがいない。

 そのペンを持って、今日もここゲタスル更生院の子どもたちは勉強がんばってます。

2009年3月6日金曜日

3月1日 ケニア伝統の風邪薬を作る。

 日本から持ってきていた風邪薬がとうとうなくなりました。しんどくて、JICAオフィスに行って、薬をもらうのも大変だし。ということで、薬を作ることにしました。「風邪をひいた」と言ったら、いつもケニア人は決まって薬の作り方を教えてくれる。そんな風邪薬の作り方は・・・、

① お湯をわかす。
② その中に細かく切ったショウガ、レモン、そしてハチミツを少し入れる。
③ 少し煮込んで出来上がり。


 といったようなものだ。確かに材料だけみると体に良さそうである。昔の記憶をたどると、俺が小さかった時おばあちゃんが作ってくれたような。そんな薬を手作りで作りました。味は想像通りのショウガ風味のはちみつレモン湯です。すごく体は温かくなりました。ただあまり体調は良くならなかったけど。風邪をひいたときは、ぜひ試してみてくださいね、ケニア伝統の風邪薬を。

2009年3月4日水曜日

2月27日 無理をすること

 「あなたは無理をしすぎる」
 
 よく仕事をしていた時に言われた言葉である。自分の限界までやりつくして、その限界を超えると病気になり、他の人に迷惑をかける。そんな状況が毎年続いていた。それから無理をしないようにと考えたが、やっぱり体にムチ打って、仕事に出る場面も多かった。

 最近のケニア・ナイロビは朝昼夜の温度差が一段と激しくなってきてる。だから体調管理もけっこう大変である。そんなとき、ついに体を壊した。毎日の授業だけでなく、夕方2時間の運動時間休むことなく一緒にバレーをしたり、サッカーをしたりしていた。その時間が子どもも楽しめる時間だからだ。しかし自分の思いとは別に体は疲れていたようである。

 しかし、更生院に行った。日本にいるのなら、もしかしたら1日ぐらい休みをもらうかもしれない。けど更生院の授業を休むことがなぜかできなかった。というのも、子どもたちにとって楽しみの授業が週に一回しかないからである。以前にも書いたが、ここの更生院で授業を教える先生は私一人である。教室数も少なく、曜日毎に授業をする学年が決まっている。だから勉強をしたくても授業を受けたくても、1週間に1回しかないという状況を考えると休めないのである。

 「無理しないように」

 家族や多くの仲間、友達がいつも声をかけてくれる。正直、どうやったら無理しないようにできるんだろうか。どこで気を抜けばいいのか、またわからなくなってきた。弱音をはきたい、そんなふうに最近は思う。