この日、私にとって初めての経験となる、更生院の子どもたちとの別れの日であった。収容人数80人のゲタスル更生院に現在120人を超える子どもたちがいる。定員オーバーもはなはだしい。そのため、今日から子どもたちはケニア国内他6か所の更生院に送られるのだ。朝から、先生たちが少しばたばたしていた。
さて、そんな子どもたちの別れに、あるお母さんがやってきた。俺と仲の良い子どもジョロゲのお母さんだ。ジョロゲもこの日、遠くの更生院へと送られることになっている。お母さんはジョロゲが風邪をひかないように暖かいフリースを用意していた。そして、優しくジョロゲに着せていた。また手作りの温かいお弁当をジョロゲに渡していた。その弁当の中身を見たジョロゲも本当にうれしそうだった。
15人乗りのマタツに先生4人、そして子どもたちが25人ぎゅうぎゅうに乗った。もちろんジョロゲも乗った。マタツが出発するまで、お母さんはジョロゲの乗っている窓際で声をかけていた。涙を流しながら。・・・。それを見て、泣いてしまった。子どもたちの前で泣いたらいけないのに。それでも子どもたちとの別れがつらく、お母さんの姿も悲しくて。
けど、それでも親が来ない子がほとんどである。子どもたちはまた新しい更生院で最長3年間の生活が始まるのだ。どんな3年間になるんだろう。これから先近くで見れないのが悔しい。たった3ヵ月しか一緒にいてやれないのが悔しい。そんな気持ちになった。
その後もどんどん子どもは減っていった。すごく寂しくなった更生院だった。
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