牛の世話係の子どもは、一日中牛の世話をする。朝から夕方までずっとだ。常に牛が見える位置にいて、様子をみる。一見すごく地味な仕事だ。
朝、その世話係の子どもの一人が針金とひも、それからサンダルを切って丸くしたかけらを持っていた。そして何かを作っていた。すごく集中して、話しかけても、そっちのけだ。
昼になって得意そうに笑顔で俺のところへやってきた。
“ Ndege!” 「飛行機!」
作っていたものは飛行機。それもかなりレベルが高い。針金やひものようなものだけで。他の子どもたちも興味津津。先生たちも感心していた。あそびたがりの子どもたちに、もちろんオモチャなんてない。買うお金もなければ、買ってくれる人もいない。そんな子どもたちだ。だからといってあきらめない。自分で作る。楽しむ術(すべ)を知っている。
だからなおさら、その作ったオモチャを大事にする。そういう姿がかっこいい。そんな子どもの姿が私にとって、ものすごく新鮮だ。オモチャがなければ作る、そんなケニアの子どもが頼もしく見えた。
2 件のコメント:
ほんとに子どもは遊びを作り出す天才だね。
掃除にしても。生きる力抜群。
私も、こっちに来て「これで代用できるじゃん」ってことがいっぱいあった。「ものがない」っていう状況にいないと考えられないんだなって思ったよ。
ミヤモッティ
そうなんよね。子供の想像力は本当に無限だよ。大人にはできないもんね。
物がないからできるって、すごいね。
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