2009年5月16日土曜日

ケニャイチロー事件簿 ケニャイチローバラバラ事件

 大事件発生。悪質極まりない事件がこのゲタスルで起きる。この衝撃写真・・・。なんと壁紙のケニャイチローの顔がやぶられたのだ。あまりにもひどい犯行に先生方も声が出ず。この更生院では毎日のように事件は起きてるのだが、こんな陰湿(いんしつ)な事件は初めてだ。ボランティアティーチャーのカフラが突然私のもとにやってくる。

 “ Ken, ○○□□××・・・” 「ケン、○○□□××・・・。」

 あせっていて何を言っているのかさっぱりわからない。もう少しゆっくり話せよと思いながら一緒に職員室の前へ。この職員室の前のドアには私が手作りで作成したケニャイチローの顔と日本語紹介の紙が貼ってあった。しかしそれが見るも無残な姿でやぶられていた。

 もちろん次の日の朝礼の一番の話題がこのバラバラ事件のこと。ソーシャルワーカー・チルドレンズオフィサーそしてマネージャー、3人もの人がこの事件に触れ子どもたちに話をしてくれた。

 「やった者は、正直にケンに言いなさい。ケンは許してくれるから。」

 そう言って、どの先生も締めくくってくれた。だが、もちろん犯人は出てこず。子どもを疑ってはいけないが、どう考えてもうちの子供以外考えられない。先生がするわけないし、この日はお客さんがいなかったし。うーん、とまあ迷宮入りしたわけです。

 けど思ったよりショックじゃなかった。日本で働いていたときも作った壁紙が壊されていたり、落書きがしてあったりといろいろあった。そういう抵抗ができていることも、5年間の教員生活のおかげだな。

「罪を憎んで、人を憎まず」。まさにこの言葉のように、子どもたちの一時の過ちを根に持つのでなく、これからの子どもの生活や態度を見ていくほうが大事である。このやぶられた私の顔はセロテープで修理して、また職員室の壁に貼った。まあわざとらしくマジックでやぶられた箇所に縫い目を描いたが。この傷がこれからも増えていくんだろうか・・・。この傷は勲章ではないけれど、子どもたちの心の傷の大きさと多さを物語っていると思う。

4 件のコメント:

hana さんのコメント...

お疲れ様です。
日本でもどこでも色々あるし、問題は基本同じですよね。何もないほうがおかしいし、そこでどう対処するかが自分にとっても子どもにとっても大事なことかもしれないなと思います。頑張りましょう!!

ケニャイチロー さんのコメント...

はなさん
 そうですよね。問題が起きたときの対処の仕方、これって大事ですよね。毎日何かしら事件がありますが、最近は少しずつ慣れてきました。 

たく さんのコメント...

日本でも同じようなことがあったとはいえ、やっぱり嫌な気分になるよね。俺も前学校中に貼ったポスターが数日のうちに半分以下になっていた・・・。嫌な気分だよね。でも国は違えどやっぱり子供は同じなんだなと思えた。変な先入観がなくなって良かったかなと今は思ってるかな。

ケニャイチロー さんのコメント...

たくちゃん
 ショックはもちろんあるけど、今はそういうのを気にしないで、自分のしたい活動をしていくわ。子どもはやっぱりどこの国も同じだね。