次の日の朝礼。子どもたちに歯ブラシを渡す。この歯ブラシも鉾立小学校の皆さんが送ってくれたものだ。これまでは小さな枝を拾ってきては、歯の表面だけを一生懸命磨いていたゲタスルの子どもたち。それが今日から歯ブラシデビューだ。
その日のごはんを買うお金さえなかった子どもたちもいる。歯ブラシなんて買ったこともなければ、歯ブラシで歯を磨いたことさえない子もいた。そんな子どもたちの虫歯予防のための、大きな味方・歯ブラシが子どもたちの手に渡った。
この日の朝から、すごくうれしそうに毎日歯を磨いている。子どもたちは他の子どもに盗まれないよう、いつも肌身離さず持っている。ズボンのポケットの中はもちろん、紐(ひも)をくくって常に首にかけている子どももいる。まるで宝物のようだ。
当り前のことだけど、当たり前にできない現実がここにはある。いろんな男の子がここゲタスルにやってくる。当たり前のこと・・・「ごはんを食べる」、「安心して生活する」、「学校に行く」、「体を洗う」、「歯を磨く」など。そんな当たり前のことを当たり前にできなかった子どもたち。だからたった一本の歯ブラシが、子どもたちにとって大事な大事な宝物になる。
日本で、大事な宝物が「歯ブラシ」って言える子っているだろうか・・・。けどそんな子どもたちの大切な宝物「歯ブラシ」を届けてくれた鉾立小学校のみなさん。みんなが送ってくれた歯ブラシは、ここケニアのゲタスル更生院で毎日子どもたちが使う宝物になってるよ。鉾立小学校のみなさん、保護者の皆様、地域の方々、そして先生方、本当にありがとうございました。
0 件のコメント:
コメントを投稿