2008年10月23日木曜日

10月22日 温かさ☆

 ついにこの日がやってきた。子どものトランスファー(他の更生院に移る)の日。午前中から、書類の整理や子どもの世話で大忙し。この日は60人ほど送るということで、更生院の先生ほぼ全員集合し、仕事をしていった。

 子どもたちはこの日を楽しみにしており、やっと次の更生院でスポーツや勉強が本格的にできるということを楽しみにしているのである。そのウキウキ感はこちらまで伝わってくる。子どもたちがうれしそうに俺の胸に飛び込んでくる。

 “ Ken, ninaenda! Tutaonana!” 「ケン、じゃあ行くよ。またね。」
 “ Sawa. Nenda salama na afia nzuri.”
 「了解、気をつけていくんだよ。それから健康に気をつけてな。」

 まだまだ小さい子は抱きしめられることがうれしいのか、みんな抱きしめてもらうために走り込んでくる。その姿がなんともかわいい。そして出発直前、こんな会話を交わした。

 “ Usinisahau!” 「俺のこと、忘れるなよ。」
 “ Sitakusahau mpaka nitakufa.” 「ぼくが死ぬまで、ケンのこと忘れないよ。」

 その言葉が温かった。子どもたちに接してきてよかったと思えた瞬間だった。そして子どもたちはこのゲタスル更生院をあとにした。

 長くて3ヵ月しかいない、このゲタスル更生院。もっと長く子どもたちと一緒にいたいが、それができない。出会いと別れが常にやってくるこの職場。それがけっこうつらい。そんなことを思う瞬間、一通のメールがやってきた。

 「生徒が少なくなって寂しいね。でもあなたが一番ケニアの子どもたちと出会えるね。」

 その言葉がまた温かった。その言葉に元気をもらった。また明日からがんばろうと思えた。今日は温かい言葉が多い一日で、幸せな一日だった。トランスファーはまだまだ続く。最後まで笑顔で子どもたちを送り出そう。

10月21日 手洗い洗濯

 この日は一週間たまった洗濯物をまとめて洗濯した。もちろん洗濯機なんてない。生まれて初めて、本格的に手洗いする。まず大きなタライとバケツを用意する。タライには水と日本から持ってきた一回用の袋に入ったアタックを入れ混ぜておく。そこからスタート。

 まず汚れの目立つ帽子とソックスを洗う。これがまず失敗・・・。そのせいで、もともと薄茶色の水がまっ茶色になり、次のTシャツを洗うモチベーションがぐっと下がった。気を取り直して、改めて水を用意し新しいアタックを入れTシャツやトレーナー、ジャージなどを洗う。一つひとつバケツの水でゆすいで洗剤をとり、自らの手でしぼる。これがまた重労働。Tシャツやソックス、パンツはいいけど、トレーナーやジャージは大変だね。

 そして一枚一枚、丁寧に干して終了。いやあ正直洗濯が嫌いになったよ。てか、なんて楽してたんだろうと改めて思うね。その日の夕方、大好きな昼寝をしてたら、夢の中で雨が降ってきた。いやな予感がして、無理やり起きると、案の定、現実世界も大雨・・・。自然の雨のゆすぎで、なおいっそう洗剤が落ちた気がするわ。 なかばあきらめてそのままで就寝。夜中も大雨。そんな自然の洗濯もケニアならではで、少し新鮮に感じた出来事でした。

10月18日 疲れているとよく叱る★

 疲れていると、イライラしやすくて、すぐに怒ってしまうんだよね。日本で仕事としてたときからわかっていたのに、まだまだ未熟だなあ。

 18日(土)から20日(月)までweekend dutyで3日間仕事がはいった。一週間以上休むことなく活動する。そりゃ疲れもたまる。そして子どもにイライラしてしまう。しょうもないことで叱ったり、冷たい態度をとったり。初心を完璧に忘れて、子どもの嘘やごまかしにわざわざ腹をたてる。といっても接することに逃げたくないし。

 人間、やっぱり休憩が必要だよ。そこに余裕が生まれるし、笑顔も増えるし。常に心身ともに万全の状態じゃないと、活動や仕事は一笑懸命できないなあ。

 よかったこともあった。この週末から自習教室を開催した。教室を開放して、教科書や鉛筆を貸して自分で自主学習をする。そして問題を解いた子は私が「赤ペン先生」となって丸つけをする。これが大好評。合計40人ほどの子どもが朝・昼合わせて3時間ほど勉強を頑張った。

日ごろからそんなに勉強できない環境にいるから、勉強がきっと楽しいんだろう。またそこに勉強を教えてくれる先生がいるということが新鮮なんだろう。この週末から毎日自習教室を開いている。今では英語と数学のほか、なぜかスワヒリ語も教えている。私より生徒のほうが話せるのに・・・。けど、この勉強したいという真っすぐな気持ちをこれからも大切にしていきたい。

2008年10月21日火曜日

10月17日 あなたの夢は?

 本日はテスト明け初めの授業。この授業って日本にいるときもそうだったけど、何をしようか迷うんだよね。生徒あんまりモチベーション高くないし。そこでこの日はマサコさんの案でテストの答えをチェックした後、みんなの夢を絵にかくという活動をした。

『Maisha yangu ya baadae』(後の自分の生活)

 というタイトルで子どもたちに自分の夢を描かせた。どんな夢があるんだろうとすごく楽しみだった。たくさん、それぞれに夢があるんだろうなあと思って、見てみると、あれっ・・・。

 同じような絵がたくさんあるぞ。その絵はトラックと運転手だった。そしてその次に多かったのがアスカリ(警備員)や軍隊だった。あとの職業はなかった。

 子どもたちの一番のあこがれは車を運転することのようである。そういえば更生院に車が来たとき先生の話を聞かないでそっちを見るし、車が停まっていようもんならさわったり、中をのぞいたり、興味津津だもんな。

 その次は警備員や軍隊のように制服に身を包み鉄砲を持てる職業を選んだ。日ごろから針金でよく鉄砲を作る子どもたち。そんな憧れがあるんだなあと改めて思った。この更生院の子どもが夢をかなえることができる、そんなケニアになってほしいなあと思う。それと同時に自分がいま何ができるかをもっと本気で考えようと思った。

10月16日 運動会☆

 更生院対抗スポーツフェスティバル。更生院の名誉とプライドをかけた、いわゆる運動会がこの日行われた。近くの男子更生院2校、女子更生院2校、リマンドホーム(裁判を待つ子どもの施設)、そしてチルドレンズホーム(0歳から約7歳までの孤児を中心とした施設)で運動会である。

 この日のために、各校の先生方が会議をしていろいろな種目を考え用意した。考えていたものは風船割り競争、水運びリレー、二人三脚、障害物リレー、そして綱引きである。また午後からサッカーの試合をするというものだった。

 さて子どもたちを全員ひきつれて、隣のカベテ更生院へ移動。そこには大きなテントがあり、たくさんの来賓が並んでいた。どこかが協賛しており、先生たちはそこのTシャツを着て、開会式に参加した。
 ところが子どもの様子がおかしい。さっきからそわそわして落ち着きがない。(まあ、もとから落ち着きはないが・・・。)とある瞬間その落ち着きのなさがピークに達した。子どもの視線の先を見ると、そこには女子更生院の女の子の姿が❤。・・・。やっぱ男の子だな。

 “Unapenda wasichana?” 「女の子好きかい?」
 “Eh-!” (うん!)

 そう聞くと、最高の笑顔で答えた。10歳から18歳の男の子だもんな。興味あって当然だわな。俺も昔はそうだったもんな。(今はもうオッサンになってきたが・・・)それからずっと意識はみんな女の子にいっていたなあ。
 さてケニア人は本当にスピーチが大好きで一人10分以上は必ず話す。それも英語で話すので、英語がわからない子どもはチンプンカンプン。そして予定していた時間をあっさりオーバー。予定よりやく1時間半以上遅れて、種目スタート。障害物リレーと綱引きは時間の関係上できなかったが、他の種目はがんばってたなあ。

 いやがんばってたって言うのかなあ。ケニア人は本当に負けるのが嫌いみたい。フェアプレイなんてあったもんじゃない。ルールよりもまず勝つこと。これが優先される。それが新鮮でありながらも、少し腹が立つ。水運びリレーのときが一番唖然とした。手で運びように説明したのに、途中から口に水をたくさん入れて、また手にも水を入れて運んでた。ある意味尊敬するよ。まあみんな楽しんでてよかった。

 そして豪勢な昼ごはんを子どもたちは食べ、食後にジュースを飲み、すごく満足気。結局予定していたことはあまりできなかったけど、こういう機会もたまにはいいなあと思った。女の子と話す子どもたちの嬉しそうな顔がなんとも言えずよかったな。この子たちがいつか素敵な女性と出会えますように。

10月15日 隣の子ども①

 今日はまたまた家の職人さんが登場。電気を直してくれる。てか、できるなら最初からしとけよ。そうしてると、隣からかわいい姉妹が笑顔で近づいてきた。すごく興味深そうに家の様子を見ている。

 “Hi, habari yako?” 「やあ、こんにちは」
“・・・(笑顔)” 「・・・」


 少し照れて、自分の家に入っていく。わずか3秒もしない間にまた出てきて近寄ってくる。ふと名前を聞くが、なかなか教えてくれない。まだ警戒されてるのかな。そんなときいつも、

 “Usiniogope. Hakuna wasiwasi.” 「怖がらないで。心配ないよ。」

 と言う。そうするとまた笑顔で応えてくれる。まだまだ打ち解けてないが、まあpolepole(ゆっくり)仲良くなっていこう。

10月14日 またまたテスト

 そろそろ子どもが国内6か所ある更生院に移る時期になってきた。現在約160名ほどで、このゲタスル更生院の定員は80名ということで、2倍の子どもがいるのだ。もちろん食料もベッドの数も圧倒的に足りない。そのため先週からテストを始めていた。このテストは、現在の子どもの学力を見ると同時に、どこの更生院に移るかをみる大事なものだ。

 いつもいいかげんにしてる子どももテストのときは本当に本気で取り組む。いつもそうやって授業も受けろよ!と突っ込みたくなるほどだ。それも5教科あるから大変だ。5教科は日本とほぼ同じ。英語、数学、理科、社会、そして日本の国語に当たるスワヒリ語がある。

 が、問題もある。鉛筆の数は子どもの数に応じて用意されている。しかし消しゴムが圧倒的に足りない。ひどいクラスで40人以上いる中で消しゴムがたったの8こというとこもあった。もちろん5人で一つの消しゴムを使うのだが、そのときよく後ろや横を向いたりする。それ、カンニングだよ!と突っ込みたくなるほど、ずっと後ろを見てるときがある。こんなんだから、テストの時間一つにしてもかなり疲れる・・・。

 まあこの日も無事終了。ようやく全クラステストも終わりそろそろ移動の用意だ。またさびしく感じるのかなあ。

10月13日 引っ越しの日

 いよいよ引越しの日。朝からドミトリー近くの大型スーパーのナクマットで買い物をうぃ、タクシーで住む家に向かった。荷物はかなりたくさんあったが、タクシーになんとか入った。

 さて家は活動先の敷地内にあり、更生院から徒歩約1分のところにある。また隣人も多く、セキュリティに関してはまったく問題ないぐらいである。フェンスもつけてもらったし、鍵も二重のロックになっており安全対策でかなりお金をかけた甲斐があった。

 さて家に入ると、案の定部屋は汚かった。工事の後、職人さんは掃除をせずに終わっている。まあケニアでは当たり前のことであるが・・・。けど、さすがにこれでは住めないので、子どもたち5人と一緒に掃除をすることにした。

 掃き掃除からはじまり、ぞうきんがけ、そして庭の掃除と約2時間汗を流した。もちろん子どもたちに自分の家を掃除させといてタダというわけにはいかないので、家の裏の農園にあるサトウキビを一つずつ渡した。久し振りのミワ(さとうきび)に子どもたちは大喜びで食べていた。働くことの大切さをこうやって教えていこうかな。更生院のそうじはもちろん普通だが、家の掃除をしてもらう時には何かあげようと思う。働こうというモチベーションを上げるためのきっかけになればいいなあと思う。

 さてこの日の夕方、電気のスイッチを入れてみる。と、あれっ・・・。電気がつかない・・・?
ま、まじで・・・!!?まあ停電には慣れてるけど、やっぱりあの職人、きちんとしてなかったなと呆れてしまった。仕方ないので、この日はろうそくと懐中電灯で過ごしました。まあこれも風情があっていいけど。そんなこんなでこの日はなんとか寝ました。けど、なにか安心感があって、嬉しく思えた一日だった。

2008年10月16日木曜日

10月8日 フォックスとオバマ


 更生院の動物ファミリー第2弾は、牛の親子の「フォックス」と「オバマ」。一日中食べて飲んで、寝て。うらやましい生活を毎日しています。お母さんの「フォックス」は毎朝、牛乳を絞られます。そして搾りたての牛乳を使って、おいしいチャイが作られます。

 毎日の栄養をこの「フォックス」が先生たちにくれます。ただ子どもがチャイを飲めるのは、祝日か特別な日だけなので、少し悲しい気がします。それでも、更生院の敷地内をのらりくらり歩いて、のんびり暮らしている姿に心癒されます。

 その子どもの「オバマ」。少しわんぱくで、興奮していきなり走り出して、危険なときがあります。また親離れしてるのか、そんなに甘えも見せず、堂々と生きています。最近サトウキビの葉っぱをやったけど、大喜びで食べてたなあ。

 この牛の親子には毎日世話係の子どもが二人付いています。その子たちは他の仕事は免除されてて、一日中牛の世話をしないといけません。以前こういう質問をしたなあ・・・。

 「牛の世話と勉強、どっちがしたい?」
 「勉強!」


 子どもはやっぱり勉強がしたいんだ・・・。そう思ったのを思い出した。
 そんなことを知らない親子のフォックスとオバマは今日も食べて飲んでばっかりの一日でした。

10月7日 クロミっちゃん


 更生院に心の癒し系ができました。俺のケニアの彼女だな・・・。それが「クロミっちゃん」こと黒ネコの「クロミ」です。「クロちゃん」にしようかと思ったけど、仲間に俺がそう呼ばれてるし、奥さんの実家の黒ネコの名前が「クロちゃん」だからやめました。
 
よく甘えてくる甘え上手なクロミ。けど、最近子どもが生まれたので、すっかり母親になってしまいました。自分の栄養をとるためには、けっこう強引です。ごはんの時間になると、先生の近くに寄ってきて、ごはんをもらおうと必死にアピール。他の先生はなかなか振り向かないけど、おれは振り向いてしまうんだよね。
 
キャベツととうもろこしをけっこう食べるし、肉の日になるとクロミもテンションが上がります。母の力ってすごいね。この日も元気にクロミは生活しています。たまにのんびりしすぎて、ダラーンとする日もあるけど・・・。この1年半、仲良くしていきます。

10月6日 図書館完成記念式典☆

 この日は図書館完成記念式典の日。2週間も前から、今日のためにたくさんの出し物の練習をした。マサイの伝統的おどり、日本の歌、ポエム、たてぶえ発表などだ。ケニア最大の携帯電話会社サファリコムの協力で図書館ができたので、その人たちを呼んでの式典だ。

 朝から大忙し。朝7時から巨大なテントを建てたり、いすを並べたり。この式典のためだけにそんなテントもいすも他の施設から借りたりして。なかなか大変だった。しかし子どもは大喜び。日ごろ絶対食べることのできないビスケットやオレンジジュースが飲めたからね。

 といっても、毎日子どもが図書館を使えるというわけではない。また図書館といっても、プレハブ小屋に同じ種類の本が何種類かあるだけで、まだまだ本が少ない。これが本当に図書館と言われる日が来るのはいつのことになるやら。

2008年10月6日月曜日

10月5日 雨の日のおやつ

 Weekend Duty2日目。もう週末のような感じはしません。普段の活動と同じです。しかしこの日は、やけに子どもたちが口を動かしている。てか、何かを食べている。何を食べているんだろうと思って、近寄ってみると、

 “ Mwalimu, Karibu. Ukule!” 「先生、どうぞ。食べてみてよ。」

 といって、小さい黒い物を差し出してきた。げっ、虫だ。この虫は「クンビクンビ」といって、雨の日に出てくる羽アリのような虫だ。これをそのまま生で食べる。ケニアっぽく野性的な食べものである。

 子どもたちはナイロン袋やお皿にいっぱいにしている。羽を上手にむしって体だけを食べるのである。さすがに俺は食べることはできないが・・・。火であぶったり、料理してたりすると食べることはできるだろうが。雨の日の子どもたちのおやつは、日本人には食べるのに勇気のいる食べ物だった。

10月4日 餃子とカレーライス☆

 10月から始まったWeekend Duty(週末勤務)。土日も平日と同じよう、朝7:00から18:00まで働く。更生院では全寮制なので、土日も子どもたちがいるからね。交代勤務で、週末も勤務です。ということで今日から「シフトB」という担当で働きます。

 といっても、土曜日は授業なし。午前中は大掃除と身の回りのことをきちんとする時間です。自分の服やふとんのシーツなど丁寧に洗ったり、施設のすみずみまでそうじしたり。そしてそのあとは、のんびりテレビを見たり、おしゃべりしたり。平凡な土曜日です。

 ただこの日は大雨だった。雨が降ると子どもたちのテンションが下がる。運動場で遊べないし、停電になりやすいからだ。停電になったらテレビは見ることができない。つまり何もすることができなくなるのだ。この日も停電があって、退屈そうだったなあ。

 さてこの日の夕方、大使館の方に招待され、おうちに夕ごはんを食べに行った。温かな家庭で、改めて夫婦の素晴らしさを知った。家に入るなり、大喜びでやってきたのが黒犬のオレオ。濃厚なキスからはじまり、俺のひざの上でくつろいだりと、リラックスしてた。

 今晩ごちそうになったのは手作りの餃子とカレーライスだった。先輩隊員は少し早めに来て、餃子を一緒に作ったらしい。(俺は作ってないが・・・)そしてホットプレートで目の前で、餃子を作る。これがなんともにくい演出。そして出来上がり。テンション上がるね。

 その餃子が本当にうまい。ショウガがきいていて、あっさりとしてるけど味もすごく力強い、そんな餃子だった。いやあケニアに来て一番おいしい料理だったよ。またニラ卵入り餃子や水餃子など、たくさんの種類も食べた。

 またカレーライスも最高だった。あまり配属先では食べることのできない肉が山ほど入っていて幸せだった。ワインもごちそうになったり、小豆入りアイスもデザートで出てきたりと至れり尽くせりだった。最後、ワイングラスを割ってしまったが・・・。

 すっかりごちそうになったが、すごくステキな時間を送った。おみやげにカレーももらって、これ以上なく幸せでした。ありがとうございました。

2008年10月5日日曜日

10月3日 脱走★

 脱走。このゲタスル更生院の一番の問題である。ケニア全土から、裁判を受けて子どもたちがやってくる。そしてここゲタスルで3ヵ月間過ごしたのち、次の更生院に行って2年から3年過ごして、やっと社会に復帰したり、親もとに返される。

 しかし、いきなりの更生院の生活に逃げてしまう子もいる。教員の目を盗んで、脱走。お金もなければ、食べ物もないし、水もない。けど逃げてしまう。家族に会いたいためか、地元に帰りたいのか、または楽な生活にもどりたいのか、理由もさまざまである。けど、わかっていることは脱走したという事実だけである。

 この日も脱走した子たちがいた。マネージャーと生活担当の先生と私、そしてしっかりした子どもたち5人が車で捜しに行った。捕まえて更生院に戻すことが、その子たちにとって大事なことだからだ。
何時間もかけて心当たりのある場所を何度もまわる。いろんな人に聞いては、また車を走らせて。この日何人かは捕まえたが、何人かは捕まえることはできなかった。きっと夜、寒く悲しい思いをしてるんだろうなあと思うが、こっちも夜は動くことができない。脱走が一番つらく悲しい出来事である。

 俺にできることは初めて来る子に笑顔で接してやること、そして少しでも不安を取り除いてやることだ。この子たちの将来をしっかり考えて、この更生院でできることをしっかりしていこう。

10月2日 リフォーム

 ついに始まった、新し家のリフォーム。ドアと窓のかぎが壊れているし、トイレが外からのドアでしか入ることはできないし。また外壁と天井の間があいているし・・・。セキュリティ上、かなり問題があったのでトータル100000シル(約150000円)で思い切って、家のリフォームをした。

 この日はまずトイレとお風呂場(といっても、シャワーもなければ、水道もない場所だが・・・)の工事だった。外から入るドアを外し、そこにコンクリートで壁を作る。そして中から入れるよう、中からトイレ側に壁を壊した。トイレは夜も行きたくなるからね。安全対策上、大事な部分です。

 そして次に大きなトラックが、たくさんの材料を持ってきた。木材約50本、新しい便器、フェンスの部分に取り付ける金網、天井を補強する、大きいな木の板などである。やっぱり命と健康が一番だから、安産対策はしとかなきゃね。うんうん。

 この工事は来週の月曜日まで続き、火曜日から住み始めることができる。人生最後の一人暮らしをここケニアで迎えるなんて。自分自身生きる力をここで養います。そしてもっと大きくなろうと思います。さて本格的な生活、本格的に仕事がはじまるなあ。やったるか。

10月1日 豪華な朝ごはん☆

 今日の朝ごはんは、すごく豪華だった。いつもはuji(おかゆのようなもの)だけだが、今日はチャイとmikate(パン)だった。

 この日は、ケニアの祝日(ラマダン明けの祝日)だった。もちろん授業はないし、一日のんびりできる日だった。そんな祝日だから、朝ごはんがいつもとちがった。みんな食べる前からテンションがかなり上がっていた。だって、日ごろチャイやパンなんて、食べることができないからね。

 生活担当の先生から食パン4枚ずつもらって、チャイをとって大事そうに食べる。ゆっくり食パンを食べる子、食パンをチャイにつけて食べる子いろいろだった。

 “ Ni tamu sana!” 「すごくおいしいよ。」

 子どもたちは笑顔で応えてくれた。俺はチャイだけだったけど、嬉しそうに食べる子どもたちを見るだけで、胸とおなかがいっぱいになった。

9月20日 Pombe Kanfuu (酔拳)

 夕方の運動場でのスポーツの時間。サッカーの審判をして疲れた私のことろに3人の男の子がやってきた。一人はたて笛の練習をしていて、その練習に付き合ってほしいとのことだったので、喜んで一緒に練習した。練習曲はケニア国歌。簡単なメロディだが、たて笛の経験があまりないケニアの子どもたちにとっては、かなり難しい。

 となりに座り、何度も何度も練習を繰り返す男の子。それをそっと見ている他の男の子二人。何気ない光景だが、なんだかほっとする。

 “Mwalimu, unawaza kucheza?” 「先生、できる?」
“Siwezi kucheza.” 「俺はできないなあ。」
 “Nikufundishe!” 「じゃあ教えたげるよ!」


 笛を差し出して、嬉しそうにその子どもが言った。言われるがまま、おれは笛をふいた。が意外と難しい。その子は嬉しそうにおれの指を持って、一生けん命に教えてくれた。どっちが先生だろうね。けど楽しかった。

 さてそのあと、ふらふらしながらカンフーをし始めた。

 “Pombe Kanfuu.”  「酔拳!」

 た、たしかに。それもかなり上手い。どこで練習してきたんだ・・・。しょうがないから、これも一緒にやることに。すると、おれがしたとたん、大喜び。すごく盛り上がってたね、その3人。たまにはおちゃらけるのもいいよね。そんなこんなで、少しおどけた時間だった。

9月29日 絶品 みぞれ豆腐☆

 和食の鉄人。昔のテレビ番組で「料理の鉄人」というものがあった。その和食の鉄人は、あの無敵を誇った「道場六三郎」だった。それを思い出した夕食時間だった。

 今回は初めて和食のお椀を作った。まず送ってもらっただしの素、塩、そして小豆島で伝統的に作られるマルキン醤油でだしを作る。そして日本人が作る手作り豆腐と日本人学校の生徒が作った大根をおろして、大根おろしを作る。これで準備完了。

 出来上がっただしに豆腐を入れ、その上から大根おろしをかける。そして火にかけて待つこと5分。しっかりだしを吸い込んだ豆腐と大根おろしの「みぞれ豆腐」が完成。

 そしていよいよ食す時。みぞれ豆腐を口に入れたとき、だしのやさしい味と豆腐と大根おろしのマッチングが見事で、大変おいしゅうございました。いやあやればできるね。レパートリーの一つにしよう。簡単においしくできる、「みぞれ豆腐」。ぜひおすすめです。

 ちなみに先輩隊員にも食べてもらって、大好評だった。ケニアに来て、自炊をする機会が増えたが、いやあけっこう楽しいね。特にだしの素、これに感謝です。

 さて先々週のクイズの答えです。ケニア隊員で作るサッカーサークルの名前は、④の「ハートにシュート」です。このサークルはスポーツを通じて、ケニアの子どもたちに何かを残してやろうというものです。どうでしたか。クイズはまた来週にだしますね。