この日はスタンダード3、4の生徒が授業を受ける。教室の数、そして教員の数の関係で子どもたちは週に一回しか授業を受けることができない。各クラスの授業日は以下のとおりである。
月曜日:スタンダード7、8
火曜日:スタンダード5、6
水曜日:職員ミーティングのため授業なし
木曜日:スタンダード3,4
金曜日:スタンダード1、2
このように各曜日で、二学年ずつ授業をする。つまり複式学級のようなものだ。これがまた難しい。やはり学年がちがうと学力に差ができる。それも子どもによってはまったく学校に行ったことのない生徒だ。アルファベットすらできないし、1+1もできない。なんでこんなこともできないんだ・・・とイライラすることもしばしば。ノートもきちんととることはできないし、しまいには教室の横を通る車やたまに来る女の子を見る。・・・こいつら。
そんな腹がたつこともあるなか、この日は英語と算数の時間の後、美術の時間をした。老松小学校のみんなからもらったクレヨンを使おうと思ったからだ。この日の題材は「ケニャイチロー先生」だ。
“ Leo uchore uso yangu. Uso ya mwalimu!”
「今日は私の顔を描きましょう。先生の顔だぞ。」
一斉に子どもたちが描き始める。真剣だ・・・。だが、俺の顔を見る生徒は一人もいない。もう自分の世界に入っている。下書きを終え、いよいよクレヨンによる色塗りだ。顔の部分を緑色に塗る子ども。俺、そんなピッコロ大魔王のように見えるのかな。また真っ黒に塗る子ども。俺、お前より色は白いぞ。
さて完成。みんなすごく誇らしげだ。できるとすぐにみんなが俺を呼ぶ。
“ Mwalimu, ona! Ona!” 「先生、見て見て。」
色とりどりの顔に楽しさと嬉しさがあって、思わず笑ってしまった。けど、俺の大事な宝物ができた。Asante sana.
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