ピリピリ。
くそっ、腹が立つ。わかっていても腹が立つ。慣れたといっても腹がたつ。落ち着こうとしてもやっぱり腹が立つ。
うちの裏には、畑がある。手入れをしていないが、勝手に野菜が育つ、まさしく自然農園だ。その自然の宝の宝庫に魔の手がやってきた。更生院のいたずら小僧どもだ。今回彼らがターゲットにしたのが、真っ赤に色づいたpilipili(とうがらし)だ。
更生院の広場とうちの畑はフェンスをはさんで隣側だ。小僧にとって、どんな野菜がなっているか一目でわかる。そして昼前、奇妙な行動をしている小僧3人がいた。近づいてみると、危険を察知してすばやくそこから身を隠す。一人は忍者のように静かにダッシュ。陸上王国ケニアの名にふさわしく、いつの間にかそこから姿を消している。その時点で怒りのギアが1から2に入る。
残り二人を呼んで、何をしていたか聞く。あたかも自分はそこに立っていただけで、何もしていないと、しらを切ろうとする。(いやいやお前フェンス越しであやしい動きしてたろ)と思いながら、まだ落ち着いて話を聞こうとする。
そして逃亡した小僧が登場。こいつも嘘を嘘でかためる。怒りのギアが2から3へ。慣れているとはいえ、ケニア人の子どもの嘘には正直うんざりなんよな・・・。そして、3人を近くの木に連れて行って、登らせる。ちょっとした罰であるが、うちの更生院では罰として木に登らせて、木にしがみつく。子どもたちは慣れているとはいえ、長い時間になると、つらくなる。そうやって自分のした過ちを少しずつ痛みとともにわからせるという罰である。
そうすると、始まって1分もしないうちに自分たちのやったことを認めた。まあこれがケニア人の子供だ。ここで他の先生方に教えてもらったケニアの子どもの特徴を言う。
① 怒られないために、必ず嘘を言う。(場合によっては泣いたり、「神の前で誓っても」という)
② 自分への怒りを和らげるために、やってもいない友達を道連れにする。
③ 怒られ始めると早く終わってほしいので、素直に認め謝り続ける。
という具合だ。うちの小憎だけかもしれないが、これが身についている自分を守る技術なのだ。まったく。
その後約10人の小僧が盗んだことがあると密告でわかった。そして先生たちと力を合わせて、小僧たちに指導。こういうことが一番疲れる。はあ、こういう盗みはほとんど毎日。
そして今日もピリピリ。
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