家の庭になる調理用バナナのマトケ。これがかなり大きくなってきたから、それをとって子どもたちにあげることにした。約50本はあるかな。一人一本はいかないけど、切って料理するとみんな食べることができるだろう。そう思って、マトケの束を子どもたちに渡す。
家で片づけしてると、先生たちがうちに来る。
“ Ken, nipatie ndizi.” 「ケン、俺にもバナナくれよ。」
“ Hizo ni za watoto. Umechelewa kidogo.”
「それは子どもたちのだからね。ちょっと遅かったね。」
子どもたちに渡すためにあげたものだから、先生にはあげることはできない。そう思って笑顔で答え、更生院に向かう。そうすると子どもたちの一人が言った。
“ Walimu wamechukua ndizi.” 「先生たちがバナナをとったよ」
なんと子どもたちにあげたバナナを先生たちで分けてたのである。これには大激怒。子どもたちにあげるって言って渡したのに。なぜ先生たちがとるのかと問いただすと、料理するのが難しいのやら、子どもたち全員に配るだけの十分なバナナがないだとか、ありとあらゆる言い訳ばかり。何をいっても自分たちの考えを変えない。頭にあるのはタダで手に入れることができるバナナのことばかり。子どもたちも、俺と他の先生のただならぬ雰囲気に不安そうな顔をしている。しょうがないから折れる・・・。
バナナは子どもたちに渡らず、先生たちが持って帰るはめに。全く腑に落ちない私は昼から家に帰ってくる。こうやって子どもたちに渡そうとするものは、必ず先生たちのもとに行く。子どもたちより、自分たちのほうが大事。そんな考えがあからさまにわかる、このケニアの先生たち。文化と価値観のちがいって誰しもがぶつかる壁。けど、どうしても納得できなかったり、理解できなかったりする壁もある。やりきれない想いがたくさん出てくる。悔しい。
2 件のコメント:
えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!
そんな事がありえるのですか!?
ってかありえるのですね…。
なんかショックです…
職員がそんなのだと同じように子どももそうしてしまいますよね。。
文化の違いとは言えど人としてどうなのか…かなりの衝撃を受けました…
ノリさん
文化や価値観の違いでとまどうことはやっぱりたくさんあります。先生方ももちろん悪気があってやってることではないのですが・・・。
はじめの方は毎日怒ってばっかりでしたよ。
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