2009年8月14日金曜日

8月7日 子どもたちに救われる。




 あまり眠ることができず、朝起きていつものように準備する。半信半疑で、今日も授業があるんだろうと思いながら更生院へ。しかし、自分の期待は砕け散る。

 ソーシャルワーカーのボランティアが、教室の前に立っている。この日から彼が授業をするらしい。マネージャーの判断で教員の私でなく、カウンセリングや生活担当のボランティアが授業をすることに。そして私はというと、彼がしていた子どもの掃除を見る係となる。体の芯まで冷えるような寒い日。子どもたちも早く焚き火をしている場所に行きたそうだ。それでも、無理して大きな声で、子どもたち一人ひとりに声をかける。教室ではそのボランティアが、一生懸命がんばってくれている。それがまた悔しかった。

 10:30、子どもたちを連れて運動場へ。一緒に子どもたちとグラウンドを走り、準備体操。授業案も何も考えてなかったこの日、ふと子どもたちの顔を見る。なんだかすごく、うれしそうだ。そんな笑顔が少しずつ俺の閉ざされた心を開いてくれた。一列に並ばせ、ペアを作り、おんぶリレー。ペアの子を嬉しそうにおんぶして、元気いっぱい走っていく。ペアが重くてつぶれてもなんだか嬉しそう。その姿に、俺も自然と笑えた。

 “ Mwalimu, asante!” 「先生、ありがとう」

 授業後、多くの子どもたちが笑顔で俺にいってくれた。何も知らない子どもたちから出た素直な「Asante(ありがとう)」という言葉。この言葉に正直救われた。英語でなくても、数学でなくても、いや授業でなくてもいい。そこに子どもがいて、何か一笑懸命がんばればいいんだと開き直れた。そんな子どもたちを英語や数学を教えていた時よりも、もっともっと好きになった。

4 件のコメント:

たっきー(ナイロビ) さんのコメント...

クロちゃん、ぶらぶらしてたらこのページにたどりつきました。いつもは僕らにあんまりそういうつらいところはみせへんけど、苦しみながらでも前をむいて頑張ってるのを知って、おれももっともっとがんばらんと、と元気をもらいました。ありがとう。クロちゃんのその真剣な思いは子どもたちにきっと伝わってるんやろうな。陰ながら応援してるで。ほなまたね。

ケニャイチロー さんのコメント...

たっきー
 おお、たっきー。連絡ありがとう。
最近は長く出口の見えないトンネルに入ってるみたい・・・。
けど、子どもと一緒にいるのは楽しいから、
がんばれるわ。

shibuya さんのコメント...

なんかいろいろあったみたいだねー。
やっぱりハプニングはつきものなんだねぇ。
でもさ、クロちゃんのおんぶリレー、子どもたちは忘れないと思うわ。
うん。
クロちゃんが一番伝えたいことはさ、きっと、英語や数学を通してじゃなくても、他のものを通してでもきっと伝わるさ~~。
いや~、でも、クロちゃんを見習って私もがんばるわ~~!!

ケニャイチロー さんのコメント...

しぶやん
 どんなことがあっても、子どもはいるし、子どもは俺の授業を楽しみにしているから、それはうれしいよね。
 同期の存在も俺にとってはかなり大きいわ。