「ケン、あなたはここケニアに何をしに来たの?」
「あなたは体育を教えるために来たんだろ?
日本人がケニア人に英語やスワヒリ語を教えるのはおかしいよね?」
突然だった。あまりの突然のマネージャーの言葉に自分の耳を疑った。
そんなことは昔からわかっていた。しかし教員がいないという状況で、授業を楽しみにしている子どもたちに自分ができること、それが授業だと思って、この1年間がんばってきた。ところが、この日自分のこの1年間の活動を否定された。ショックや悔しさというより先に、何がなんだかわからなかった。
マネージャーによると、うちの更生院を管轄するジェンダー・子ども・社会開発省の上司に、日本人がケニアの子どもに英語やスワヒリ語を教えるなんてどういうことなのかと電話で聞かれたらしい。それに驚いたマネージャーが次の日私を呼び出したというわけだ。
自分の活動をまったく見てもらえず、ただ否定されたような気がした。授業担当の私が授業をしないで誰が授業をするのか・・・、いろいろな感情が入り乱れる中、呆然として家に戻った。知らぬ間に涙が流れていた。自分は授業をしなくていい、そんなことを言われたのは初めてだった。教員になって7年目、必要とされていないことがこんなに心苦しくつらいということを初めて知った。マンネリ化しつつあった授業、でも授業をしないというのは、私にとってものすごくつらかった。
それでもこの日、気を取り直して更生院に戻って、子どもと一緒に運動場に行った。体育の授業をするためだ。何も知らない子どもたちは、久し振りに教えてもらう体育に笑顔いっぱいだ。そんな笑顔に応えるため、私も精一杯の笑顔を作る。
しかしこの日から更生院に行く足がどんどん重くなることを、私もうすうす感じながら、なんとかプラス思考でいこうと腹をくくる。その夜、久々に頭のモヤモヤは消えず、眠ることができなかった。
4 件のコメント:
少なくとも更生院の子どもたちはケニャイチローさんの事を必要としてると思います。
なんだか私も悔しくてなんて言葉にしていいのかわかりません…。
私がこんなこと言っても何にもなりませんがケニャイチローさんのされてきた事、間違ってないし子どもたちのためになってます!!
私はそう思ってます。
日本から応援してます。
お疲れ様です。マレーシアから亮です。久々です!ブログいつもすげーって思いながら読んでます!!
マンネリ化しますよね~。自分も体育を楽しみにしてくれる子がいるから続けられます。だから、授業を楽しみにしている子がいるならやめられないですよね。。どうにかして黒明さんは体育だけでなく今までやってきた授業も続けられないかな・・・。
ノリさん
ありがとうございます。今はまだまだモヤモヤが残ってますが。これから少しずつがんばっていきます。
正直、日本に帰りたいと思うこともあります。
亮
久し振り。元気しとるか。
一年たって、一番悩み、苦しい時期が来ているような気がします。
けど、亮の言うように子どもがいるから頑張れるわ。
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