2009年12月30日水曜日
12月25日 クリスマス
“ Merry Christmas!” 「メリークリスマス!」
そう言って、早朝から子どもたちが迎えてくれる。今日は1年に1度のクリスマス。この日をケニア人は盛大に盛り上げる。そんな日だからこそ、私も子どもたちの思い出に残る日にしたいと思った。
この日の午前中は牧師さんが来て、子どもたちにクリスマスの日におけるキリスト教の教えを伝える。子どもたちもいつもより真剣に話を聞く。そして、まずはクリスマスプレゼント第一弾としてクッキーとキャンディーが配られる。そんな大切なクッキーを持って子どもたちが私のところに来てくれる。
“ Mwalimu, shika.” 「先生、どうぞ」
そう言って、何人もの子どもたちが、たった3切れしかないビスケットの一つを私にくれた。いつもなら、すぐにポケットにいれて何回もビスケットをとったりするような子どもたちだ。しかし、こんな優しさも子どもたちは持っている。
さて午後になりいよいよ待ちに待ったごはんの時間。この日のごはんの内容は次の通り。
Mchele(ごはん)
Ndengu(デング豆)
Nyama(肉)
Embe(マンゴー)
Soda(ソーダ)
という内容。子どもたちは自然とテンションが上がっていた。おいしそうに食べる子どもたち。ここでも子どもたちは一人50グラムほどしかない小さな肉のかたまりを私にくれようとする。肉なんてほとんど食べることができなかった子どもたちだ。そんな子どもたちが笑顔で私に肉をくれようとするのは、うれしくて涙が出そうになる。
そして、午後になり子どもたちへのフェイスペインティングをはじめる。顔にそれぞれいろんな模様や絵を描いていく、ペインティング。クリスマスだからこそできる、活動の一つだ。絵具やパレット、筆を準備しいよいよスタート。これでも画家の血をひいているケニャイチローです。(親父が画家なので)正直、小学校や中学校の作品展では入選が最高で、本当に俺は親父の子どもなんだろうかと悩んだ時期もありましたが、芸術家ほど後継ぎが難しい職業はありません。早々とあきらめ、教師の道を歩んでいる私です。そんなことはどうでもいいですね。
さて何人もの子供たちにさまざまなペイントをしていきました。子どもたちにもパレットや筆を渡して、友達同士でペインティングをさせたりして、すごく笑った時間でした。こんなに笑ったのは、ここゲタスル更生院に来て初めてじゃないかというくらい笑いました。子どもたちも友達と顔を見合わせては、大爆笑してました。その中には “MVP” や “FBI”というような言葉を額に書いている子までいて、自由奔放な活動ができた時間だった。そして楽しい時間はあっというまに過ぎ、子どもたちのクリスマスは幕を閉じた。
子供たちにとって今までのクリスマスはどんなものだったんだろう?家でお祝いできる子もいれば、ストリートでゴミを拾っていた子もいるかもしれない。ただ少なくともこのゲタスル更生院で過ごしたクリスマスは思い出に残るんじゃないかな・・・そう思うと心も体もホカホカで、自然と笑みがこぼれた。もしケニア人の言うように本当に神様がいるのなら、子どもたちがこの先、誠実にまっすぐに生きていけますように。
メリークリスマス。
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