理想と現実はちがう。
ケニアに来て思ったことだし、教師になった初めての年もそう思った。きっとどこかで光り輝く素敵な活動を夢見ていたんだろう。来る前に考えることは苦労することより、楽しいことばかり。アフリカの子供と笑って、みんなに温かくされて。
そんな甘い考えがあったから、小さな苦労でも私にとって大きくなっていったんだろう。 ちょうど教師1年目、初任者の頃を思い出す。
大学時代に思い描いていた教師像とはちがい、苦労の連続だった。授業のあるたびにその前の休み時間にトイレにこもって、不安な気持ちを整理していた。生徒のことが怖いと思ったこともあった。授業のポイント、学級経営のポイント、押したり引いたりのバランス、まったく何もわからない私はどんどん自信を失った。
「正直テクニックもない、授業技術もない、経験もない、そんなくろちゃんにしかできないことがある。」
当時の学年主任の先生に連れて行ってもらった居酒屋で言われた言葉。苦労して落ち込むたびにいつも励ましてくれた。
私にしかできないこと。それは「生徒のそばにいる」ことだった。
嫌われても嫌われても生徒のそばにいること。毎日の部活の朝練習、休み時間、昼休み、授業以外でも生徒のそばにいるようにした。てか、それしかできなかったからだ。
それが今の私の原点だ。もちろん逃げ出したいときも、苦しくて胃が痛むときもあった。けど、その「生徒のそばにいる」ことを投げ出したら、私には何も残らないことはわかっていた。初心=「生徒のそばにいる」というのが私の中にある。
このケニアでも初任者の頃と同じように思う。ケニアの更生院における経験もない、言語能力もない、ケニアの子どもたちを指導する技術もない・・・。だからこそ、大切なのは「子どものそばにいること」。残り2カ月間でできること、きっと大きいことはできないけど、だからこそ初心に戻って自分のできることをしていきたい。
4 件のコメント:
自分にしかできないこと
自分にしか出来ないことを一生懸命やってるくろちゃんの姿
かっこいい
がんばれ 2ヶ月
なるほどって思いました。
そばにいるってすごく大切な事ですね。
誰かがそばにいるだけで安心するし…。
私にも私にしかできない事ってあるのかな
と、ふと思いました。
あかね
みんな一人ひとり自分の良さがあるからなあ。これといって取り柄のない私ができることって限られてるからなあ。
あかねもあかねらしさ、あかねにしかない良さがあるよ。
ノリさん
自分らしさ、自分のモットーを持つって大事ですよね。悩んだとき、苦しいとき、その自分らしさをいかに持っているかって大事だと思います。
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