2010年1月15日金曜日

1月14日 「先生、勉強したい。」


“ Mwalimu, nataka kusoma.” 「先生、勉強したい。」

 いつもそう言って私のところに来る子がいる。スタンダード4(小学4年生)のBilly Kamandeだ。ほかの男の子たちが楽しくテレビを見たり、遊んでいるときにいつも図書館で本を読んでいる。寡黙な男の子だが、芯があって努力をする男の子だ。

 “ Mwalimu, unifungulie library.” 「先生、図書館を開けて。」
 “ Mwalimu, nataka kalamu na kitabu cha kuandika.”
 「先生、鉛筆とノートをください。」


 ほぼ毎日のようにやってきて、自分で自習をしてはノートをチェックしてもらいにやってくる。どんなに忙しくても、そのビリーのノートチェックは最優先に行う。スワヒリ語の問題を解いてきたときはこっちも悩む。小学4年生の内容は、さすがに難しい。けど、悩むだけ悩んで答えを私も探す。どうしてもダメだったら、かっこつけず、ほかの先生に私も質問する。ビリーの真っ直ぐな想いに中途半端に答えたくないから。

 そうすると、ビリーに刺激されてか、ほかの何人かの生徒たちもやってきた。空いている時間に図書館にやってきては本を借りる。そして教室に戻り、こつこつと自習をし始める。

 “ Billy, unapenda kusoma?” 「ビリー、勉強は好きかい?」
 “ Ndiyo!” 「うん!」


 そう言って嬉しそうに勉強を続ける。生活に何の心配なく自分の好きな勉強ができる、これだけでビリーは幸せなんだろうなあ。食事もある、制服もある、ノートや鉛筆、消しゴムもある。ほかの学校にはない図書館があって、教科書もたくさんある。もちろん安心して寝る場所もある。一緒に笑える友達がいる。ここゲタスルに来れる子って、すごく幸せなのでは・・・。赴任当初から、いつもそう思っていた。

 今日もビリーは大好きな勉強を思いっきりする。そんな姿を見て、自然と笑顔が出てくる。明日の朝礼でビリーのことを話して、ビリーのことをしっかり誉めてやろうかな。そんな温かな出来事もたくさんあるここゲタスル更生院です。そして明日もビリーは私のところにやってくるだろう。

 “ Mwalimu, nataka kusoma.” 「先生、勉強したい。」

2 件のコメント:

akane さんのコメント...

くろちゃん。
子供ってすごいね。まっすぐに生きてるコもいるんだね。
直球には直球で返す。
学びます。

ケニャイチロー さんのコメント...

あかね
 少しでもこういう子が増えると、どんどん前向きな気持ちが出てくるんだろうね。
 更生院の目標は少しでも子どもたちの将来に希望を持たせてやることなんだと最近思うんだ。