みなさんは「けいどろ」っていうゲームを知っているだろうか。
この「けいどろ」とは「警察と泥棒」の略。スワヒリ語でいうと "Polisi na Mwizi"。私が小学校時代、学校から帰ってきてよく友達と遊んだゲームが「けいどろ」だ。ほかにも「ポコペン」というものもあったが。 私の地元、岡山県倉敷市児島の同年代の人たちはみんな知っているだろう。この二つのゲーム。関東でいう「缶けり」に似てるところがあるのかな。
ルールはいたってシンプル。泥棒役の子どもが隠れたり逃げたりしているのを、警察役の子どもが捕まえるというもの。地元ルールでは「刑務所」という場所を作り、そこに捕まえた泥棒を入れるのだが、仲間の泥棒が助けに来てタッチすると、また逃げられるという、度胸・知能・体力を必要とする単純かつ奥の深いゲームだ。
“ Nyinyi ni wezi.” 「お前ら、泥棒な。」
と子どもたちに伝える。更生院の子どもたちで本当に泥棒だった子たちもいるなかで、適切な発言じゃないかもしれないし、教育上配慮のないゲームかもしれないけど、まったく気にしない。
綱引き用の綱で円を作り「刑務所」を作る。30人クラスで警察役は10人、泥棒役は20人だ。私たちのころは圧倒的に警察役にあこがれたものだ。警察は正義のヒーローのような存在だから。 しかしゲタスルの子どもたちはちがう。ほとんどが泥棒役になりたがっている。
“ Kwa nini unataka kuwa mwizi?” 「どうして、泥棒になりたいの?」
“ Napenda kutoroka.” 「逃げるの好きだから。」
またまた配慮のない発言だが、一切気にしない。しかしその答えにも納得してしまう。今まで警察を見たら逃げてきたような子どもだし、警察に敵対心を持っている子もいるから、警察にはなりたくないよな・・・、と妙に納得。
それでもこの「けいどろ」、かなり盛り上がるんです。1時間ずっと走りっぱなしでも笑顔が絶えず、楽しめるんです。
“ Hii ni tamu sana.” 「これ、むちゃくちゃおもしろいよ。」
と声を合わせて子どもたちが言う。単なる競争より、友達と触れ合って楽しめるゲームのほうがやっぱり好きなようだ。最近は毎日「けいどろ」。けど、頼むから将来は警察官になってくれよ。泥棒にはなるなよ・・・。
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