“ Ken, leo watafanya mutihani.” 「ケン、今日テストするから。」
“ Ati!?” 「えっ!?」
一瞬、耳を疑った。何の前振りもなく、いきなりマネージャーが私にそう告げた。それもいつもとちがって、笑顔がなく、かなり真剣な顔で。
他の更生院への移動の前には必ず行われる学力テスト。そろそろじゃないかなあと感じていたが、まさか今日言われるなんて。しかもテストの準備なんてまったくできてないし。そして怒涛の一週間がこの日から始まる。
まず、午前中クラスを自習にして、テスト用紙がすべてそろっているか確認する。スタンダード1~8まで、英語・算数・スワヒリ語・理科・社会の5教科でかなりの量になる。それもその一つひとつをコピーしなければならない。教室に入っている子どもも毎週1回の授業をいつも楽しみにしている。いろんな思いが交錯する中、ただただマネージャーの計画性のなさにイライラしつつ準備を進めていった。
運よく、テストのコピーは同僚が隣町まで行って、してきてくれた。(なんせ、更生院にはコピー機がないから)そして、昼前ようやくテスト準備ができる。そして約30分英語の授業をして、午前中の仕事が終了。昼ごはんを3分で食べ、テストに向けての準備。鉛筆削り・テスト用名簿づくり・教室整備など、もちろんすべて一人で準備することに。
そして午後14時、スタンダード7、8の2クラスがテストスタート。突然決まったテストにイライラを隠せないでいた私にたくさんの同僚が来てくれた。
“Ken, nitakusaidia kusahihisha.” 「ケン、テスト採点手伝うで」
“Ken-san, ufanya polepole.” 「ケンさん、ぼちぼちしていきな」
何かを感じ取ってくれたのだろう。温かい言葉をかけてくれた。すっと肩の力が抜けたような感じだった。それから3日間テストは続いたが、同僚の助けもあってなんとかテストも終了した。一人で約80人分、5教科のテスト・・・、本当に更生院で飼っているネコ(クロミ)の手も借りたいほど忙しかった。冗談じゃなくて・・・。そんな忙しさの反面、同僚の優しさに触れることができた出来事だった。
0 件のコメント:
コメントを投稿