2009年2月25日水曜日

ケニャイチロー事件簿 スリ未遂事件

 先週のことだったろうか、あの事件が起きたのは・・・。
JICAオフィスで交流している小学校の手紙を受け取った後、いつも行くスーパーへ。そこで大好きなパンとマフィン8個を買って帰る途中、事件は起きた・・・。いつも通る道、周りの風景にも慣れ、危機管理意識がほとんどなくなっていた時、後ろから物音が聞こえた。

 「ジリジリジリ・・・」

 ・・・!? ファスナーが開く音だ!? それも俺が背負っているナップサックから!??? と同時に後ろを素早く振り返る。

 「・・・」

 誰もいない。近くにいたのは、ネクタイにシャツ姿、とてもきれいな服を着ている会社員らしき人。その人は何事もなかったかのように通り過ぎて行った。あの人か・・・?そしてナップサックを確認するとやっぱり開けられてました、サイドポケットが。何も取られてなかったけど、かなりショックの大きい出来事だった。

 帰って同僚に話をすると、驚くべき事実が・・・。

 「ナイロビのスリはほとんどがスーツとネクタイをしてるんだ。汚い格好をしたスリはほとんどいないよ。」


 とのことだった。そして同僚の何人もが携帯電話やお金をすりに取られているとのことだった。改めてケニアの首都ナイロビの怖さを知った出来事だった。アフリカの中では最も治安の悪い町の一つだと言われているナイロビ。慣れたところでの、このスリ未遂事件。もう一度初心に戻って、危機管理意識を高めていこう。

2月23日 結婚記念日



 まず同じ時代にこの世界で 君に出会えたことに感謝
 すると今までの不安が消えてなくなっていくone love
 ぎくしゃくしたり じゃれあったり 一晩中話したり
 知れば知るほど輝く宝物に思えてくる君だからこそ
 一人じゃダメになりそうでも またその笑顔に救われる
 一人じゃダメになりそうでも 大きな愛にくるまれる
 心の中の悲しみさえ すべて忘れられる
 ぼくは君がいれば 今よりもっとずっと強くなれる

 もう一人じゃない 映る景色 そのすべてに君がいて
 この笑顔が何倍にもなるし その涙は二人で÷2
 大きな夢明日に託し 歩いてゆこう

                              「Lovin’ Life (FUNKY MONKEY BABYS) より」


 これからもよろしく。

2009年2月24日火曜日

2月20日 We're Getathuru Family!


 一応、画家の血を引くケニャイチローです。以前そのようなことを書いたら、みなさんあまり信じなかったんですが、本当に画家の血をひいています。ただ美術はいつも5段階評価でいつも3でしたが・・・。まあ平凡だったんです。

 そんなことはさておき、この日も作りました教室掲示物。今回も好きな絵を描くことにしました。絵を描くことが好きって言う点だけは画家の血を引いてるのかな。今回の作品は “ We’re Getathuru Family!” 「僕たちはゲタスルファミリー!」というタイトルのものである。朝から晩まで一日中一緒に生活をする子どもたちは、まさしく一つの家族。そんな周りのみんなを大事にしようっていうことで描きました、今回の絵。

いつかこんなように、みんなが笑顔で自分の家族のもとに帰って素敵な家族を作ってほしいなあ。そのためにはまずここゲタスル更生院で、周りのみんなを大切にできるよう、言い続けるつもりです。そんな温かい家族を子どもたちと作っていきます。まあ俺は少しプチメタボの若親父かな。

2月16日② カリブ! ウガンダ隊!

 この日誕生日だった私は、ウガンダの友達が任国外旅行でケニアに来ていたので、会いに行った。同期のタローくん(O本)に久々に会ったが、以前の丸い顔からが少しシャープになってかっこよくなっていた。なんともうらやましい。そして他のウガンダ隊の2人とケニア隊7人で韓国料理屋で飲んだ。

 この韓国料理屋はケニア隊の行きつけの場所であり、ドミトリーから徒歩5分という近さである。まあ夜は危ないので、そんな距離でもタクシーを使うのだが・・・。そしてみんなでケニアでは一番のビールと言われているタスカーを飲んで、そして韓国料理を堪能した。

 ・キムチ盛り合わせ
 ・豚のバラ肉・首肉の塩焼き
 ・野菜チヂミ
 ・牛肉のプルコギ
 ・鶏肉の甘辛煮
 ・ビビンバ
 ・韓国冷麺

 そして同期と飲むビールはやっぱりうまい。久々にあんなに飲んだね、弱いけど・・・。
ということで、この日もカロリーをしっかりとったケニャイチローでした。

2009年2月17日火曜日

2月16日 My 29th birthday.


 たくさんのコメントやメッセージ、ありがとうございます。
 今日で29歳になりました。いよいよ20代最後の歳です。今まで勢いだけで、何も考えず前だけ見て突っ走ってきましたが、29歳は少しまわりを見ながら、落ち着いて活動できるようにしたいなあ。
 いつも心に、

 “ Asante sana.” 「どうもありがとう」
 “ Tuko Pamoja.” 「常に一緒にいる」


 この二つの気持ちをもって子どもたちに接していけるよう、気持ち新たにがんばります。そして日本で支えてくれる家族や応援してくれている友達や先生、そして日本の生徒たち。また世界中で活躍している同期の協力隊員、そんなみんなにも感謝の気持ちを忘れず、残りの1年間、精一杯の活動をしていきます。これからも応援よろしくおねがいします。

2月14日 バレンタインパーティ


 とうとう買ってしまいました、プラスチックのテーブルとイス3脚。トータル3300シル(4000円)ほどして、リビングルームに置きました。というのも、今日はバレンタインデー。半年ほどたったら、ケニア人や同期など呼んで、楽しくパーティなんてしたいなあと思ってたんだよね。ということで、お客さん用に、テーブルとイスを購入しました。

 この日は同期二人と新隊員一人、そしてケニア人の友達を二人ほど誘って、パーティをしました。この日のメニューはカレーライスです。ちょうど2か月前日本から来たお客さんにふくしん漬けをもらってたので、カレーにしました。

 そしておつまみのピーナッツやジュース、そしてデザートとなるマフィンまで用意して。今回のカレーはオーソドックスな玉ねぎ・にんじん・じゃがいもの他にナスビまで入れて具たっぷりのカレーに仕上げました。このカレーが大好評。みんなおかわりまでして、食べてくれました。自分で作ったものをおいしいって食べてくれると、すごくうれしいね。また新隊員のきょうこさんから、少し早い誕生日プレゼントももらって、すごく感動しました。

 そんな18時から21時までの3時間は本当に楽しくて、あっという間のひとときでした。笑いが絶えなかったなあ。毎月こんなパーティをしていけたらなあ。そう思ったバレンタインパーティでした。

2009年2月14日土曜日

ケニャイチロー事件簿② メール詐欺事件

 いつものように疲れて帰って、何気なくパソコンの電源を入れる。インターネットができる携帯用モデムカードを差し込み、いつものようにメールチェックをしようとする。

 すると、その携帯用モデムカードにショートメールが何通か入ってきた。そこには、信じられないようなことが書いてあった。

 “ Bingo! You’ve won Ksh,50,000!” 「当たり、50000シル(約60000円)当たったよ。」
 “ ・・・(ま、まじで!?)”


なんと携帯会社最大手からのショートメールだった。最近忙しかったけど、いいことあるなあ。そして興奮を隠せないまま、続きを読んでいった。

 “ Dial 140*0189*716・・・・ and confirm your account.”
「140*0189*716・・・・に電話して、あなたの口座を確認してください。」

 
 そして何の疑いもなく、急いでその番号をかけてみる。その返信ショートメールがすぐに来る。すると・・・!?

 “ You transferred Ksh.189 to 0716・・・・. Asante!”
「あなたは0716・・・の番号の携帯電話に189シルを送りました。ありがとうございました。」


 はい、チーン。だまされました、人生はじめてのメール詐欺にひっかかりました。それもケニアで・・・。怒りを通りこして、情けなくて恥ずかしくなりました。189シル(約250円)・・・。ああ、アホすぎる。

 というわけで、世の中そんなにうまい話はないということに29歳を手前にして知りました。みなさんもメール詐欺には気をつけてください。特にケニア隊員は甘い話にだまされないでください。明日事務所に報告します。ああ、情けない。けど189シルで済んだのは不幸中の幸いだったな。

2009年2月11日水曜日

2月9日 何のために木ってあるの?




 木って何のためにあるんだろう? 自然のため?緑豊かにするため?

 ここケニアのゲタスル更生院では、私たちの考え方とははっきり言って、ちがう。
 木は燃やすためにある。
 8月に赴任して以来、敷地内にある何十年と生きてきた立派な木が5本以上切られた。何のためか、それは更生院の食事のための火に使う薪(まき)となるためである。

生きるために食べる。

食べるために火を使う。

火を使うために木を燃やす。

木を燃やすために木を切る。


 つまり、ここの更生院では生きるために木を切るのだ。この現実に正直、出てくる言葉がなかった。
日本にいたときは、急速に進む森林伐採に腹をたてていた。なんで他の国の人は自然を破壊するんだろうって。その国の人の状況は考えず、ただただ地球のこれからのことを思って自然破壊を非難していた。

 ところが、ここケニアのこの現実を目の前にして、木を切るなって言えるのか。
お金がない家の人にガスボンベとコンロを買えって言えるだろうか?
今を生きるために木を燃やす人たちに、未来のために木を燃やすなって言えるだろうか? 
地球の環境のために木を使うなって言えるだろうか?

 いろんな想いがあるが、今のこのケニア人の生活を見ていたら決して言うことのできないことである。「地球の自然環境を守る」、言葉だけならもっともらしいが、これがみんなが納得できる形で模索していくこと、私たちが今後考えていかなければならないことなんじゃないかな。

2月5日 おにぎり


 日頃お世話になっている同僚の先生たちへの感謝の気持ちとして作りました、日本の心おにぎり。朝早く起きて、ごはんを炊いて、その中に「ゆかり」を入れて。約4合ほどご飯を炊いたかな。そして14個のおにぎりを丹精込めて握りました。

 “ Ken, hii inaitwa je?” 「ケン、これは何ていうの?」
 “ Inaitwa Onigiri!” 「おにぎりって言うんだよ」


 そう言ってすすめてみた。なかなか好評だ。中にはおかわりをする先生もいた。大成功だ。しかし何人かには気にいってもらえず、子どもたちのお腹の中に。まあ好き嫌いはあるからね。
 次回は何を作ろうかな・・・。

2009年2月6日金曜日

2月3日 と、突然すぎるじゃろ!?

“ Ken, leo watafanya mutihani.” 「ケン、今日テストするから。」
 “ Ati!?” 「えっ!?」


 一瞬、耳を疑った。何の前振りもなく、いきなりマネージャーが私にそう告げた。それもいつもとちがって、笑顔がなく、かなり真剣な顔で。

 他の更生院への移動の前には必ず行われる学力テスト。そろそろじゃないかなあと感じていたが、まさか今日言われるなんて。しかもテストの準備なんてまったくできてないし。そして怒涛の一週間がこの日から始まる。

 まず、午前中クラスを自習にして、テスト用紙がすべてそろっているか確認する。スタンダード1~8まで、英語・算数・スワヒリ語・理科・社会の5教科でかなりの量になる。それもその一つひとつをコピーしなければならない。教室に入っている子どもも毎週1回の授業をいつも楽しみにしている。いろんな思いが交錯する中、ただただマネージャーの計画性のなさにイライラしつつ準備を進めていった。

 運よく、テストのコピーは同僚が隣町まで行って、してきてくれた。(なんせ、更生院にはコピー機がないから)そして、昼前ようやくテスト準備ができる。そして約30分英語の授業をして、午前中の仕事が終了。昼ごはんを3分で食べ、テストに向けての準備。鉛筆削り・テスト用名簿づくり・教室整備など、もちろんすべて一人で準備することに。

 そして午後14時、スタンダード7、8の2クラスがテストスタート。突然決まったテストにイライラを隠せないでいた私にたくさんの同僚が来てくれた。

“Ken, nitakusaidia kusahihisha.” 「ケン、テスト採点手伝うで」
 “Ken-san, ufanya polepole.” 「ケンさん、ぼちぼちしていきな」


 何かを感じ取ってくれたのだろう。温かい言葉をかけてくれた。すっと肩の力が抜けたような感じだった。それから3日間テストは続いたが、同僚の助けもあってなんとかテストも終了した。一人で約80人分、5教科のテスト・・・、本当に更生院で飼っているネコ(クロミ)の手も借りたいほど忙しかった。冗談じゃなくて・・・。そんな忙しさの反面、同僚の優しさに触れることができた出来事だった。

2009年2月3日火曜日

2月2日 ほんまに男性隊員やせるん?

 おかしい、ほんまにおかしい。「協力隊男性隊員は必ず痩せる」、訓練時代からいろいろな仲間に言われてきた言葉だ。だから28歳でプチメタボなお腹でもケニアに来たら痩せるじゃろうと思っとったのに、痩せん。訓練時代、あまり自炊できずいいものも食べられんじゃろうと思って、いつも満腹食べていたのに、痩せん。何が原因だ??

 毎日朝昼晩と飲むチャイにスプーン3杯砂糖を入れるからじゃろうか・・・。

 最近覚えた自炊メニューのすべてが高カロリーだからじゃろうか・・・。
 (カレーライス、ハンバーグ、牛丼など)

 同僚が買ってくるおやつのパンやマンダージ(揚げパン)を遠慮なく食べるからじゃろうか・・・。

 毎日の夕飯時、ごはん2合食べるからじゃろうか・・・。

 毎週末、大好きな巨大マフィンを一週間分(7個)まとめ買いするからじゃろうか・・・。

 まったく痩せる気配すら見せない、この28歳プチメタボの体。もう一度あの20代前半のような筋肉質で鍛えられた腹筋の体を取り戻したい。体重計に乗ったとき65キロを切っていたあの感動をふたたび味わいたい。

 3月に、恐怖の嫁が来る。6月下旬、日本を出る際の言葉、

「きっとケニアで痩せて、かっこよくなっとんじゃろうなあ(期待)」

 ・・・。出会った当初の筋肉質で63キロだった若かりし頃。途上国にいるのにまったく痩せない70キロのプチメタボ体型の若親父。全然ちがう。タイムリミットは1ヵ月半。とりあえず明日からチャイに入れる砂糖はスプーン2杯半にして、ごはんも1.5合にするわ。

2009年2月1日日曜日

1月31日 教員たちのストライキ

ケニアでは先々週はじめから、全土で教員たちが給料の値上げを訴え、ストライキを起こしている。これは政府管轄の教育省の中で、教員に支払われる給料が著しく低く、またその省の中でcorruption(横領、わいろ)があるという噂があるからだ。

 そしてまだストライキが続いている。そのストライキの犠牲になるのは誰か、もちろん教育を受けることのできない子どもたちである。子どもたちは先々週から学校がない。学校には先生がいないからだ。そのため公立の学校に通っている子どもたちは家で強制的に待機しているような状況が続いている。犠牲になるのは、いつも子どもたちだ。

 確かに学校の先生はケニア国内ではそれほど地位の高いものではなく、給料だって月に約20000シル(約24000円)である。これは公務員にしてみれば低い給料だ。その訴える機会として、ストライキは当然なのかもしれない。

 もし日本でもこのまま教員の給料が減らされ続ければ・・・。教員のモチベーションなどを下げることになるだろう。難しい問題だ。子どもが好きだといっても、仕事である以上、お金をもらって当然の権利だ。それも家族を養っていかなければならない、少しでも裕福な暮らしがしたい、人間誰しもが持っている気持ちである。

 子どもたちの教育のためにも、教員たちのこれからのためにも、早くこの問題が解決してほしいなと思う。