2009年9月30日水曜日

9月25日 光あるところに闇もある。

 ここゲタスル更生院にはたくさんの来客が来る。日本人をはじめ欧米人またケニア人まで。ナイロビ郊外ということでタウンから容易に来ることができること、ストリートボーイや孤児などが生活しているということから見学希望が多い。

 ケニアはアフリカの国の中でもかなり発展していると感じる。観光業もサファリなどの国立公園をはじめ、コースト(海岸)沿いのリゾート地などが存在し、海も山も動物も見ることができる。町もかなり発展しており、ナイロビやモンバサでは手に入らないものがないくらい。もちろん日本食レストランもあり、私たちは何の苦労もない。

 しかし光あるところに闇はあるもの。急速に発展したケニアでは、その発展の波に乗ったケニア人もいれば、そうでないケニア人もいる。急速な発展は貧富の差をかなり大きくしたといっても過言ではない。ナイロビのタウンのはずれにあるキベラ地区をはじめとする数か所のスラム地区(貧困地区)。その代表的なキベラ地区でも現在約100万人が住んでいるといわれている。

 また貧富の差が大きいと治安が悪くなるのも必然だろう。発展しているケニアは現在アフリカの中でも治安が悪くて有名だ。主な原因はやはり、多くの失業者だろう。ケニアは発展しているといっても失業率はかなり高い。30歳までの若者で就職している人は2人に1人、就職率約50%とも言われている。なんだかんだ言っても、やはりお金は大事。ご飯を食べるにしても、より良い生活をするにしても、服を着るにしても、友達と遊ぶにしても、何をしてもお金は必要だ。そのお金がなければ、そのお金を得る仕事がなければ、ストレスもたまるだろう・・・。そして手段を選ばす、お金を得ようとする若者が増える。だまし、嘘、スリ、強盗などなど。

 そんなケニアのさまざまな面を日本の人に知ってもらいたいし、日本に帰ってからそのことを日本の人に伝えたい。そんなケニアのさまざまな背景のもと、ここゲタスル更生院にやってきている子どもたち。その子たちを見て、ただかわいそうと思ってほしくない。一人ひとりと接してもらって、そこから何かを感じてもらいたい。スワヒリ語が分からなくても、英語がわからなくても、感じることが何かあるはず。何気ない一言で最高の笑顔を見せたり、その一方で近くの果物を盗んでいたり。そんな子どもたちが住む更生院を多くの人に見てもらい、そしてそこからまた日本にいる人たちにケニアの子どもたちについて伝えてもらいたい。 決して子どもが悪いわけではない。「罪を憎んで、人を憎まず」ではないが、今はケニアという国の状況を憎んで、子どもだけは憎みたくない・・・そう感じる。

 もしケニアのお越しの際は、ぜひここゲタスル更生院にお越しください。

2 件のコメント:

rie さんのコメント...

行ってみたいな、ケニア。
(とはいってもすぐに行ける場所ではないが、、、)

今年の倉敷国際フェスティバルの講演会は、
マサイの戦士第二婦人の永松真紀さん。
ちょっと参加して、
ケニアの風を感じてみるわ。

ケニャイチロー さんのコメント...

rieさん
 この前、うちの更生院に永松さんと旦那さんが来てくれましたよ。二人ともすごく素敵な方でした。ぜひぜひ講演行ってみてくださいね。