2008年10月23日木曜日

10月22日 温かさ☆

 ついにこの日がやってきた。子どものトランスファー(他の更生院に移る)の日。午前中から、書類の整理や子どもの世話で大忙し。この日は60人ほど送るということで、更生院の先生ほぼ全員集合し、仕事をしていった。

 子どもたちはこの日を楽しみにしており、やっと次の更生院でスポーツや勉強が本格的にできるということを楽しみにしているのである。そのウキウキ感はこちらまで伝わってくる。子どもたちがうれしそうに俺の胸に飛び込んでくる。

 “ Ken, ninaenda! Tutaonana!” 「ケン、じゃあ行くよ。またね。」
 “ Sawa. Nenda salama na afia nzuri.”
 「了解、気をつけていくんだよ。それから健康に気をつけてな。」

 まだまだ小さい子は抱きしめられることがうれしいのか、みんな抱きしめてもらうために走り込んでくる。その姿がなんともかわいい。そして出発直前、こんな会話を交わした。

 “ Usinisahau!” 「俺のこと、忘れるなよ。」
 “ Sitakusahau mpaka nitakufa.” 「ぼくが死ぬまで、ケンのこと忘れないよ。」

 その言葉が温かった。子どもたちに接してきてよかったと思えた瞬間だった。そして子どもたちはこのゲタスル更生院をあとにした。

 長くて3ヵ月しかいない、このゲタスル更生院。もっと長く子どもたちと一緒にいたいが、それができない。出会いと別れが常にやってくるこの職場。それがけっこうつらい。そんなことを思う瞬間、一通のメールがやってきた。

 「生徒が少なくなって寂しいね。でもあなたが一番ケニアの子どもたちと出会えるね。」

 その言葉がまた温かった。その言葉に元気をもらった。また明日からがんばろうと思えた。今日は温かい言葉が多い一日で、幸せな一日だった。トランスファーはまだまだ続く。最後まで笑顔で子どもたちを送り出そう。

10月21日 手洗い洗濯

 この日は一週間たまった洗濯物をまとめて洗濯した。もちろん洗濯機なんてない。生まれて初めて、本格的に手洗いする。まず大きなタライとバケツを用意する。タライには水と日本から持ってきた一回用の袋に入ったアタックを入れ混ぜておく。そこからスタート。

 まず汚れの目立つ帽子とソックスを洗う。これがまず失敗・・・。そのせいで、もともと薄茶色の水がまっ茶色になり、次のTシャツを洗うモチベーションがぐっと下がった。気を取り直して、改めて水を用意し新しいアタックを入れTシャツやトレーナー、ジャージなどを洗う。一つひとつバケツの水でゆすいで洗剤をとり、自らの手でしぼる。これがまた重労働。Tシャツやソックス、パンツはいいけど、トレーナーやジャージは大変だね。

 そして一枚一枚、丁寧に干して終了。いやあ正直洗濯が嫌いになったよ。てか、なんて楽してたんだろうと改めて思うね。その日の夕方、大好きな昼寝をしてたら、夢の中で雨が降ってきた。いやな予感がして、無理やり起きると、案の定、現実世界も大雨・・・。自然の雨のゆすぎで、なおいっそう洗剤が落ちた気がするわ。 なかばあきらめてそのままで就寝。夜中も大雨。そんな自然の洗濯もケニアならではで、少し新鮮に感じた出来事でした。

10月18日 疲れているとよく叱る★

 疲れていると、イライラしやすくて、すぐに怒ってしまうんだよね。日本で仕事としてたときからわかっていたのに、まだまだ未熟だなあ。

 18日(土)から20日(月)までweekend dutyで3日間仕事がはいった。一週間以上休むことなく活動する。そりゃ疲れもたまる。そして子どもにイライラしてしまう。しょうもないことで叱ったり、冷たい態度をとったり。初心を完璧に忘れて、子どもの嘘やごまかしにわざわざ腹をたてる。といっても接することに逃げたくないし。

 人間、やっぱり休憩が必要だよ。そこに余裕が生まれるし、笑顔も増えるし。常に心身ともに万全の状態じゃないと、活動や仕事は一笑懸命できないなあ。

 よかったこともあった。この週末から自習教室を開催した。教室を開放して、教科書や鉛筆を貸して自分で自主学習をする。そして問題を解いた子は私が「赤ペン先生」となって丸つけをする。これが大好評。合計40人ほどの子どもが朝・昼合わせて3時間ほど勉強を頑張った。

日ごろからそんなに勉強できない環境にいるから、勉強がきっと楽しいんだろう。またそこに勉強を教えてくれる先生がいるということが新鮮なんだろう。この週末から毎日自習教室を開いている。今では英語と数学のほか、なぜかスワヒリ語も教えている。私より生徒のほうが話せるのに・・・。けど、この勉強したいという真っすぐな気持ちをこれからも大切にしていきたい。

2008年10月21日火曜日

10月17日 あなたの夢は?

 本日はテスト明け初めの授業。この授業って日本にいるときもそうだったけど、何をしようか迷うんだよね。生徒あんまりモチベーション高くないし。そこでこの日はマサコさんの案でテストの答えをチェックした後、みんなの夢を絵にかくという活動をした。

『Maisha yangu ya baadae』(後の自分の生活)

 というタイトルで子どもたちに自分の夢を描かせた。どんな夢があるんだろうとすごく楽しみだった。たくさん、それぞれに夢があるんだろうなあと思って、見てみると、あれっ・・・。

 同じような絵がたくさんあるぞ。その絵はトラックと運転手だった。そしてその次に多かったのがアスカリ(警備員)や軍隊だった。あとの職業はなかった。

 子どもたちの一番のあこがれは車を運転することのようである。そういえば更生院に車が来たとき先生の話を聞かないでそっちを見るし、車が停まっていようもんならさわったり、中をのぞいたり、興味津津だもんな。

 その次は警備員や軍隊のように制服に身を包み鉄砲を持てる職業を選んだ。日ごろから針金でよく鉄砲を作る子どもたち。そんな憧れがあるんだなあと改めて思った。この更生院の子どもが夢をかなえることができる、そんなケニアになってほしいなあと思う。それと同時に自分がいま何ができるかをもっと本気で考えようと思った。

10月16日 運動会☆

 更生院対抗スポーツフェスティバル。更生院の名誉とプライドをかけた、いわゆる運動会がこの日行われた。近くの男子更生院2校、女子更生院2校、リマンドホーム(裁判を待つ子どもの施設)、そしてチルドレンズホーム(0歳から約7歳までの孤児を中心とした施設)で運動会である。

 この日のために、各校の先生方が会議をしていろいろな種目を考え用意した。考えていたものは風船割り競争、水運びリレー、二人三脚、障害物リレー、そして綱引きである。また午後からサッカーの試合をするというものだった。

 さて子どもたちを全員ひきつれて、隣のカベテ更生院へ移動。そこには大きなテントがあり、たくさんの来賓が並んでいた。どこかが協賛しており、先生たちはそこのTシャツを着て、開会式に参加した。
 ところが子どもの様子がおかしい。さっきからそわそわして落ち着きがない。(まあ、もとから落ち着きはないが・・・。)とある瞬間その落ち着きのなさがピークに達した。子どもの視線の先を見ると、そこには女子更生院の女の子の姿が❤。・・・。やっぱ男の子だな。

 “Unapenda wasichana?” 「女の子好きかい?」
 “Eh-!” (うん!)

 そう聞くと、最高の笑顔で答えた。10歳から18歳の男の子だもんな。興味あって当然だわな。俺も昔はそうだったもんな。(今はもうオッサンになってきたが・・・)それからずっと意識はみんな女の子にいっていたなあ。
 さてケニア人は本当にスピーチが大好きで一人10分以上は必ず話す。それも英語で話すので、英語がわからない子どもはチンプンカンプン。そして予定していた時間をあっさりオーバー。予定よりやく1時間半以上遅れて、種目スタート。障害物リレーと綱引きは時間の関係上できなかったが、他の種目はがんばってたなあ。

 いやがんばってたって言うのかなあ。ケニア人は本当に負けるのが嫌いみたい。フェアプレイなんてあったもんじゃない。ルールよりもまず勝つこと。これが優先される。それが新鮮でありながらも、少し腹が立つ。水運びリレーのときが一番唖然とした。手で運びように説明したのに、途中から口に水をたくさん入れて、また手にも水を入れて運んでた。ある意味尊敬するよ。まあみんな楽しんでてよかった。

 そして豪勢な昼ごはんを子どもたちは食べ、食後にジュースを飲み、すごく満足気。結局予定していたことはあまりできなかったけど、こういう機会もたまにはいいなあと思った。女の子と話す子どもたちの嬉しそうな顔がなんとも言えずよかったな。この子たちがいつか素敵な女性と出会えますように。

10月15日 隣の子ども①

 今日はまたまた家の職人さんが登場。電気を直してくれる。てか、できるなら最初からしとけよ。そうしてると、隣からかわいい姉妹が笑顔で近づいてきた。すごく興味深そうに家の様子を見ている。

 “Hi, habari yako?” 「やあ、こんにちは」
“・・・(笑顔)” 「・・・」


 少し照れて、自分の家に入っていく。わずか3秒もしない間にまた出てきて近寄ってくる。ふと名前を聞くが、なかなか教えてくれない。まだ警戒されてるのかな。そんなときいつも、

 “Usiniogope. Hakuna wasiwasi.” 「怖がらないで。心配ないよ。」

 と言う。そうするとまた笑顔で応えてくれる。まだまだ打ち解けてないが、まあpolepole(ゆっくり)仲良くなっていこう。

10月14日 またまたテスト

 そろそろ子どもが国内6か所ある更生院に移る時期になってきた。現在約160名ほどで、このゲタスル更生院の定員は80名ということで、2倍の子どもがいるのだ。もちろん食料もベッドの数も圧倒的に足りない。そのため先週からテストを始めていた。このテストは、現在の子どもの学力を見ると同時に、どこの更生院に移るかをみる大事なものだ。

 いつもいいかげんにしてる子どももテストのときは本当に本気で取り組む。いつもそうやって授業も受けろよ!と突っ込みたくなるほどだ。それも5教科あるから大変だ。5教科は日本とほぼ同じ。英語、数学、理科、社会、そして日本の国語に当たるスワヒリ語がある。

 が、問題もある。鉛筆の数は子どもの数に応じて用意されている。しかし消しゴムが圧倒的に足りない。ひどいクラスで40人以上いる中で消しゴムがたったの8こというとこもあった。もちろん5人で一つの消しゴムを使うのだが、そのときよく後ろや横を向いたりする。それ、カンニングだよ!と突っ込みたくなるほど、ずっと後ろを見てるときがある。こんなんだから、テストの時間一つにしてもかなり疲れる・・・。

 まあこの日も無事終了。ようやく全クラステストも終わりそろそろ移動の用意だ。またさびしく感じるのかなあ。